第43回フローレンス・ナイチンゲール記章 日本から看護師2名が受章

2年に1度、顕著な功績のあった看護師に授与される世界最高の記章であるフローレンス・ナイチンゲール記章の受章者が、5月12日、赤十字国際委員会ナイチンゲール記章選考委員会(スイス・ジュネーブ)から発表されました。
今回の受賞者は39名で、日本からの受章者は、村松 静子(むらまつ せいこ)さん、南 裕子(みなみ ひろこ)さんの2名です。なお、今回の受章により、日本の受章者総数は計103名となりました。

【フローレンス・ナイチンゲール記章について】

この記章は紛争下において敵味方にかかわらず、負傷者を保護する役割を担う赤十字が1907年および1912年の赤十字国際会議において、世界各国の顕著な功績のある看護師に授与することを決定しました。1920年(大正9年)にナイチンゲール女史の生誕100周年を記念して、第1回の記章が授与されました。それ以来、隔年で、ナイチンゲール女史の誕生日にあたる5月12日に赤十字国際委員会から発表されています。
受章資格を有する者は、平時または戦時において、傷病者、障害者または紛争や災害の犠牲者に対して、偉大な勇気を持って献身的な活動をしたり、公衆衛生や看護教育の分野で顕著な活動、創造的・先駆的貢献を果たした看護師や看護補助者です。

今回、世界で39名が受章され、これまでの受章者総数は1,379名になりました。
同記章は、鍍銀製アーモンド型メダルで、表面は燭(ともしび)を手にしたナイチンゲール女史の像と「1820~1910年フローレンス・ナイチンゲール女史記念」の文字があり、裏面には受章者名と、ラテン語で「博愛の功徳を顕揚し、これを永遠に世界に伝える」と刻まれています。

授与式は、年内に日本赤十字社で執り行われる予定です。

■本件に関するお問い合わせ先
日本赤十字社 企画広報室 畑・松本 TEL 03-3437-7010
看護部 臼田・佐野 TEL 03-3437-7505

■ ■ ■ 受章者のプロフィール ■ ■ ■

村松静子(むらまつ・せいこ)さん

□秋田県生まれ(64歳)
□東京都中野区在住
□現 職:日本在宅看護システム 代表

□主な功績:

1983年(昭和58年)の老人保健法改正に伴う市町村による訪問指導および保健医療機関の訪問看護が開始されたが、村松氏は訪問看護の対象年齢や訪問回数、医療行為等の制約により、患者が半ば強制的に転院・退院を強いられている現状を憂慮し、賛同した看護師とともに業務外に於ける訪問看護ボランティアチームを結成した。3年間に亘り同チームにより活動を実施したが、1986年(昭和61年)、ボランティア活動に限界を感じた同氏は、訪問看護を専門とする看護師集団の民間組織「在宅看護研究センター」を設立した。看護師が、日本で初めて病院等の保健医療施設を離れて看護の組織をつくったのである。その後、氏は在宅看護の支援体制づくりのために全国の実態調査を行うなど、国の委託を受けて「訪問看護事業を運営する上でのガイドライン」の作成に尽力した。

在宅看護を実践する傍らで、日本の看護教育へも情熱を注いだ。1997年(平成9年)に「在宅看護論」を誕生させ、在宅看護の学問的な位置付けの向上に多大な寄与をした。

このように、日本における在宅看護の基盤づくりを行い、現在も、在宅看護分野の第一人者として複数の看護大学・大学院において講義を担当するなど、活躍を続けている。

■ ■ ■ 受章者のプロフィール ■ ■ ■

南 裕子(みなみ・ひろこ)さん

・兵庫県生まれ(68歳)
□兵庫県神戸市在住
□現 職:高知県立大学 学長/高知短期大学 学長

□主な功績:

1995年(平成7年)に発生した阪神・淡路大震災において、自らも被災した南氏は、後に日本看護協会が構築する災害支援体制整備の礎となる看護ボランティアの派遣体制を整備した。また、氏は災害看護の活動方法を体系化し、共有できる知識体系を確立する必要性を訴え、1998年(平成10年)に日本災害看護学会、2008年(平成20年)には世界災害看護学会を発足させた。

1970年(昭和45年)に日本初の看護系4年制大学である高知女子大学で教壇に立った後、聖路加看護大学、兵庫県立看護大学、兵庫県立大学、近大姫路大学などにおいて教授や学長を歴任した。教鞭を執る傍ら、1999年(平成11年)から2005年(平成17年)まで日本看護協会の会長を務め、専門看護師・認定看護師制度の確立などの看護制度改革に取り組んだ。また、日本に初めて精神看護の専門看護師を導入し、看護大学に日本初の精神看護学博士課程を開設するなどして看護職の専門性の確立に努めた。

2005年(平成17年)、国際看護師協会の第25代会長に日本人として初めて就任した。就任に際し、氏は「看護は本質的に人々の安全と平和に貢献する専門職である」とし、看護を通してその実現に尽力した。