Vol.7 阪神・淡路大震災から16年~天災救護規則

1995(平成7)年1月17日、早朝に発生した阪神・淡路大震災は、約80万人の被災者を出す大災害でした。日本赤十字社は、直ちに本社をはじめ全国の支部からのべ約6,000人以上の救護員を派遣し、活動しました。

上:被災地を巡回する救護班 中:活動記録(左が本社、右が兵庫県支部発行) 下:「こころのケア」に関するブックレット(日本赤十字社発行)

上:被災地を巡回する救護班
中:活動記録(左が本社、右が兵庫県支部発行)
下:「こころのケア」に関するブックレット(日本赤十字社発行)

災害に「備える」

赤十字は、戦争における傷病兵の救護を目的に設立されました。では、自然災害における救護活動は、どのように始まったのでしょうか。

日本赤十字社の最初の救護活動は、1888(明治21)年の磐梯山噴火(福島県)における活動です。しかし、当時の社則は戦時を想定しており、自然災害時の救護活動に関する規定はありませんでした。そこで皇后陛下(昭憲皇太后)から、救護班派遣の内旨があり、活動に赴きます。それ以降、1890(同23)年にトルコ軍艦沈没事故(和歌山県串本沖)、その翌年にも濃尾地震災害(岐阜・愛知県など)が発生し、戦時以外での救護活動が増えました。

1900(同33)年7月、「天災救護規則(※)」を制定、翌年1月に各支部長に通知して、災害時の救護体制を整えました。

天災救護規則

規則制定についての史料(日本赤十字社史稿)をみると「赤十字の本業は戦争における傷病兵の救護であるが、災害で多くの傷病人が発生し、苦痛により死に至ることは最も遺憾である。天災救護は人類共愛の主旨を達すると同時に戦時救護における研究調査となり、改良により進歩を図る訓練となる」とあります。自然災害の救護活動に、人々を「救う」ことと同時にその経験を今後の活動に生かすことを期待したのです。

活動を生かす

阪神・淡路大震災を契機に、災害による「心」の問題に注目した日本赤十字社では、2003(平成15)年、被災者の「こころのケア」を新たに災害救護活動の重要項目に位置づけました。130年以上にわたる経験とたゆまぬ訓練の積み重ねにより、今日まで人を「救う」活動が受け継がれています。

(※)現在は、「日本赤十字社救護規則」(昭和30年制定)に基づいて活動が展開されています。