輸血前後の感染症検査と検体保管

「輸血療法の実施に関する指針」に基づき、輸血前後の感染症検査を行います。

1)輸血前検査
  • HBV:HBs抗原、HBs抗体、HBc抗体
  • HCV:HCV抗体、HCVコア抗原
  • HIV:HIV抗体
2)輸血前検体保存

上記1)の輸血前検査を実施していない場合は、患者の検体保存を行う。

  • 血漿または血清として約2mL確保できる量を-20℃以下で可能な限り(2年間を目安に)保存する。
  • 日本赤十字社から検査依頼があった場合には、当該指針に従って検査を行う。
  • 新生児や乳児においては、約2mL保管することは事実上困難なこともあることから、可能な量を保管することで差し支えない。
  • コンタミネーションのないようにディスポーザブルのピペットを使用するなどの対応が望まれる。
  • 検体の保管は、未開封の分離剤入りの採血管に入れ、遠心した後に保管することが望ましいが、困難な場合は、輸血前に交差適合試験等で使用した血清あるいは血漿(血球と分離)約2mLを保存しても良い。
  • 保管検体には抗凝固剤としてヘパリンを用いないこと。

 なお、輸血前検査を実施している場合でも、患者血清(漿)の再検査を行うことがある。輸血前検体保管については、輸血による感染か否かを確認する上で非常に重要になるため、輸血前に感染症検査が実施された場合でも必ず保管すること(保管方法は上記と同様。)。

3)輸血後検査

感染が疑われる場合などには、下記の通り検査を実施する。

  • 検査項目:

  HBV:核酸増幅検査(NAT)

     輸血前検査の結果がいずれも陰性の場合、輸血の3か月後に実施

  HCV:HCVコア抗原

  輸血前検査の結果がいずれも陰性の場合または感染既往と判断された場合、

  輸血の1~3か月後に実施

  HIV:HIV抗体検査

     輸血前検査のHIV抗体検査結果が陰性の場合、輸血後の2~3か月以降に実施

  • 頻回輸血患者については3カ月に1回程度を目安に検査を実施することが望まれる。

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