感染症検査と検体保管

「輸血療法の実施に関する指針」に基づき、医師が感染リスクを考慮し、感染が疑われる場合は感染症検査を行います。

1)感染症検査
  • B型及びC型肝炎ウイルス感染
    個別NATの導入などの結果、供血者がウインドウ期にあることによる感染も含めて極めてまれとなっている。輸血により感染した場合、早ければ輸血後 2~3 か月以内に急性肝炎を発症する。また、肝炎の臨床症状又は肝機能の異常所見を把握できなくても肝炎ウイルスに感染している場合がある。 医師は、感染リスクを考慮し、感染が疑われる場合などには、関係学会のガイドライン等を参考として、肝炎ウイルス 関連マーカーの検査等を行う。
  • ヒト免疫不全ウイルス感染
    個別NATの導入などの結果、供血者がウインドウ期に あることによる感染も含めて極めてまれとなっている。輸血により感染した場合、後天性免疫不全症候群(エイズ)の 起因ウイルス(HIV)感染では、感染後 2〜8 週で、一部の感染者では抗体の出現に先んじて一過性の感冒様症状が現われることがあるが、多くは無症状に経過して、以後年余にわたり無症候性に経過する。 医師は、感染リスクを考慮し、感染が疑われる場合等には、輸血後 2〜3 ヶ月以降に抗体検査等を行う。
2)検体保管
  • 輸血による感染事例の遡及調査として、輸血時の患者血液保存する。
  • 輸血前の血液検体の保管は、輸血による感染か否かを確認する上で非常に重要になる。
  • 血漿または血清として約2mL確保できる量を-20℃以下で可能な限り(2年間を目安に)保存する。
  • 日本赤十字社から検査依頼があった場合には、上記1)に従って検査を行う。
  • 新生児や乳児においては、約2mL保管することは事実上困難なこともあることから、可能な量を保管することで差し支えない。
  • 上記1)に従って輸血前後の検査を行っている場合であっても、検査の擬陽性結果、潜在ウイルスの活性化等の有無を確認するため、輸血前後の患者血清(漿)の再検査を行うことがあるので、保管している検体があれば、日本赤十字社に提供し、調査に協力すること(院内採血の場合は除く)。
  • 保管検体には抗凝固剤としてヘパリンを用いないこと。

「血液製剤等に係る遡及調査ガイドライン」はこちら