献血時の安全対策 - 輸血用血液製剤の安全な原料血液のために -

日本赤十字社が供給している輸血用血液製剤の原料となる血液は、すべて献血血液です。製剤の出発点は、安全な原料血液の確保と考え、献血時に種々の安全対策を行っています。

  • 献血者が本人であることを確認(本人確認)した責任ある献血血液です。
  • 献血者の安全を第一として国が定めた基準受血者の安全確保のための基準を満たした献血血液です。
  • 医師の検診により、採血時の健康状態が良いと判断された方からの献血血液です。
  • 採血後にウイルス感染等、献血者が不健康となった情報(献血後情報)やHIVの感染についての情報(自己申告)を取得し、該当する献血血液を排除しています。
  • 皮膚に付着している細菌等の原料血液への混入防止のため、採血時の入念な消毒に加え、針刺し直後の採取血液は原料血液とならぬよう除去しています。(初流血除去

献血者の本人確認

献血は、一人ひとり個別の献血者コードが付番された献血カードで受付します。
初めての献血時には身分証明書等で本人であることを確認後、献血カードを発行し登録します。
次回以降の献血時は、献血カード提示と指静脈の生体認証により本人であることを確認しています。
生体認証しない場合は、初回登録時に申請した4桁の暗証番号を提示します。

献血者の保護のための基準(省令)と受血者の安全確保のための基準(問診事項)

採血基準

【安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律施行規則】別表第二(昭和31年6月25日厚生省令第22号)に基づき、全血採血(200mL、400mL)および成分採血(血漿、血小板)ごとに、年齢、体重、血圧、血色素量、年間採血量、採血間隔等の基準が定められています。

問診事項

採血基準に適合しているかを確認するため、循環器系の疾患等の既往歴等を、血液製剤の安全性の向上のため、血液を介して感染するおそれのある疾患の既往歴等を献血前に献血者にお尋ねしています。現行の問診事項は、旧厚生省の血液問題検討会安全性専門委員会で取りまとめられた「輸血用血液製剤の安全性に関する報告書(平成7年6月)」によるもので、全国的に統一されており、以後、適宜改定が加えられています。現在、平成23年4月1日より改定された問診項目が使用されています。

問診事項と項目の意義についてはこちら

献血者等の検診

医師が献血者の献血当日の健康状態について、検診し血色素検査および血小板数検査等の結果と総合して献血可否を判断します。
(「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律施行規則(厚生省令第22号)」より)

献血後情報と自己申告制度

献血当日中に献血者自身から、「問診票への回答を誤った」、「献血後に感染等が判明した」等の事由により献血した血液を使用しないでほしい。」との情報(献血後情報)やHIV感染に関連する自身の情報(自己申告)を取得し、輸血用血液製剤の安全性向上のため、リスクのある原料血液を製造工程から除きます。

初流血除去

原料血液への細菌等の混入防止のため、献血血液の採血時には、消毒用綿花を用いて皮膚表面の汚れや皮脂、細菌、さらに毛孔の汚れが十分に取れるように入念に消毒し、その後、ポビドンヨードエタノール液を十分に含ませた滅菌綿棒での消毒後、穿刺しています。
更なる細菌等の混入防止対策として、採血針を穿刺した直後の約25mLの血液を小さなポーチに採取し、原料血液とはしない方法(初流血除去)を、血小板成分献血は平成18年10月から、全血献血は平成19年1月から導入しています。この採取した血液は、検査用血液に使用します。

血小板製剤への初流血除去導入の効果について(「輸血情報」0903-118より)

初流血除去は2006年10月より、最初に血小板製剤に導入されました(現在はすべての製剤に導入済み)。室温保管の血小板製剤は、他の製剤に比べても細菌汚染のリスクが高い製剤といえます。期限切れとなった血小板製剤を採血後6日まで室温(20~25℃)で保存し、全自動血液培養装置(BacT/ALERT)を用い、好気的、嫌気的条件それぞれ10mLの製剤を最長7日間細菌培養したところ、初流血除去の導入前後で陽性率は0.17%から0.05%に低下しました。この結果は、初流血除去による安全性の向上を示しています。