ヒト白血球抗原(HLA)

ヒト白血球抗原(Human Leukocyte Antigen; HLA)とは

HLAは1954年、白血球の血液型として発見されました。現在HLAは、HLA-A・B・C抗原などからなるクラスⅠ抗原と、HLA-DR・DQ・DP抗原からなるクラスⅡ抗原に大別され、クラスⅠ抗原はほぼすべての有核細胞、血小板上に、クラスⅡ抗原はリンパ球のB細胞や活性化T細胞、単球などに存在しています。

HLAの抗原系はそれぞれの遺伝子座の組み合わせで表現され、さらにそれぞれが数十種類の対立遺伝子(アリル)を持つため、著しい数の組み合わせが見られます。また、移植、血小板輸血などの同種免疫反応において、強い免疫原性を示すため、臓器移植では拒絶反応の標的抗原となり、輸血、妊娠などではしばしば抗体を産生します。移植や血小板輸血などでドナーとレシピエントの適合性を判断するためには、HLAの検査が重要になります。