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ベトナム災害対策事業:13年にわたる支援を通じて
11/01/20
ベトナムは南北に長い海岸線を有し、台風の通り道になっているため、自然災害の被害を受けやすい傾向にあります。特に、近年は気候変動の影響から台風の来襲時期が長くなり、進行方向の変化も大きくなっています。
そのため、ベトナム赤十字社は地域住民のいのちと生活を守ることを目的として、1990年代から沿岸地域でマングローブを堤防の前面に植林し、高潮を抑え、洪水の被害を軽減する活動を行ってきました。
日本赤十字社はベトナム赤十字社の要請を受け、1997年からベトナム社会主義共和国の北部沿岸の8省で、マングローブの植林などを通じた災害対策事業を実施しています。昨年までに延べ10,026.33ヘクタール、東京ドーム約2,144個分の面積にマングローブを植林してきました。また、防風林としてモクマオウの木や竹も防波堤沿いに植林しています。
(左写真)2003年のハイフォン省バンラ村のマングローブ
(左写真)現在のバンラ村のマングローブ
高さは4メートルほどに達する
(左写真)マングローブ林近くで元気に遊ぶ子ども(バンラ村)
■地域住民が行う植林活動
マングローブは波のエネルギーを消耗させ、堤防を守るだけでなく、田畑で発生する塩害も減少させます。また、周辺の生態系も豊かにすることから、事業地周辺の住民はマングローブの根元に集まる魚介類を捕獲したり、マングローブの花に集まるミツバチから蜜を採取して生計を立てています。堤防付近の住民は「マングローブを植林したことで堤防を修理する機会も減り、安心して生活できるようになった。植林に従事できたことに誇りを感じている」と語りました。
植林を開始してから13年が経過した今、ハイフォン省・バンラ村の堤防はマングローブ林に覆われています。住民によって植林されたマングローブは、地元政府の協力を得ながら赤十字職員やボランティアの指導のもと、地域住民が保全・管理しています。植林されたマングローブは種子をつけ、その林を年々大きくしています。
また、植林活動と平行して、地域住民や小学校教師を対象にした災害対策研修や防災訓練を定期的に開催し、防災に関する知識を普及するほか、小学生を対象にしたマングローブの授業を行い、その重要性について理解を促進する活動も展開しています。このように息の長い地道な活動を継続した結果、ベトナム赤十字社は国内外から高い評価を受けており、ベトナム政府からもその功績が認められています。
(上写真)2010年は313人の小学校教師が13の災害対策研修に参加
マングローブは成木になるまで約5年かかり、その後もフジツボの除去や不法伐採の防止など定期的な管理・監視が必要です。加えて、高潮などが発生した際にはマングローブが倒れ、流出するケースもあることから、マングローブを植え直す活動も継続しなければなりません。ある地域ではまだマングローブ林が堤防の前面に植わっておらず、不安を口にする住民も少なくありません。
日本赤十字社では、ベトナム赤十字社及び国際赤十字とともに2011年以降も活動を継続していきます。