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チリ大地震から6カ月
10/08/27
■被災地の様子と復興支援
マグニチュード8.8、死者512人、行方不明者56人、被災者200万人、倒壊家屋10万棟以上の被害をもたらしたチリ大地震の発災から6カ月が経ちました。チリ政府によれば経済損失は約300億ドルで、中でも津波による漁業・観光業への損失は53億ドルと沿岸地域の被害が特に目立ちます。
日本赤十字社は、復興支援事業を担当する駐在員を7月より派遣し、漁民の生活再建支援に取り組んでいます。今回は現在行われている復興支援事業の様子をお伝えするとともに、発災直後の国際赤十字全体の支援を振り返ります。
写真:津波に見舞われた漁港の様子
■高まる復興支援への期待
サンチアゴの秋元陽子駐在員の報告によれば、南半球のチリは現在冬で、春の訪れを楽しみに待っています。春は魚の種類が増え、いろいろな漁も解禁されて漁民の稼ぎ時でもあり、生計支援への期待も高まっています。こうした思いに応えるため、事業は急ピッチで進行中です。1ヵ月以内にはボートの配付を開始できる見通しで、特に零細漁民への配付を優先させる考えです。「被災者の方々はいつまでも援助に頼るのではなく、生業である漁業で生活を立て直したいと願っています。そのような彼らの姿勢に人間の尊厳を見る思いがし、事業の成功の為に頑張る決意を強くしました」と秋元駐在員は語ります。
写真:漁業組合長、チリ赤十字社職員、秋元駐在員(右)
■日本赤十字社の復興支援事業
日本赤十字社は、チリ赤十字社、国際赤十字との協議とアセスメントの結果、大地震とそれに伴う津波によって壊滅的被害を受けた沿岸部の漁村地域の支援事業に関する協定書をチリ赤十字社と締結しました。本事業においては、可能な限り短期間に経済活動が再開出来るように、該当地域の漁民の生計に欠かせないボートと船外機を提供するとともに、災害に強いコミュニティ作りを支援していきます。概要は次の通りです。
1. 津波の被害を受けた漁民の生計支援事業
・支援内容:住居、家財、船や漁具を無くした漁民に対するボートと船外機の配付
・支援対象者:マウレ州、ビオビオ州の約1800世帯
・支援額:2億円(約150~170隻のボートと船外機)
2. 地域防災とチリ赤十字社の組織開発
・支援内容:事業実施地域のコミュニティを対象とした防災意識と救急法の普及
チリ赤十字社の組織強化とボランティアの育成
・支援額:3千万円
■発災直後における国際赤十字の支援
地震直後には国際赤十字の要請で、救援物資の調達や輸送を行うロジスティクスERU(緊急対応ユニット)1ユニット、基礎的な保健医療サービスを行う基礎保健ERU2ユニット、より高度な医療サービスを提供する病院ERU1ユニットが出動しました。また、生活にかかる支援の実施状況は表の通りです。5月から9月が冬にあたるチリでは、防寒対策が懸念されていましたが、仮設住宅や、メディアグアスと呼ばれる小さな木造簡易住宅が提供されました。
被災者の支援の実施にあたってはチリ赤十字社と国際赤十字の連携の下、連日多くのボランティアが活動に参加しました。発災後にボランティア数が増加したことから、チリ赤十字社担当者は若者のボランティアへの関心の高さを評価し、育成にも力を入れたいと話しています。
写真:救援物資を運ぶ赤十字ボランティアの様子(©IFRC)
■発災直後における日本赤十字社の支援
日本赤十字社では、1,900万円を国際赤十字に拠出するとともに、発災翌日に本社職員1名を現地に派遣し被災状況、及びニーズ調査を行いました。また基礎保健ERUを出動し、以下の活動を実施しました。
・事務管理要員2名を先遣隊として派遣
・医療チームとして医師1名、看護師1名、技術要員3名を派遣
・ERUを用い、中長期的に活用できる病棟の立ち上げを支援(マウレ州パラル病院)
・ERU設置に伴い、付帯工事の追加支援も実施。(パラル病院との渡り廊下を設置、
コンテナ型の水洗トイレとシャワーの設置、暖房機の設置)
~日赤は被災地の復興を願ってこれからも支援を続けていきます~