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フィリピン台風被害から9カ月
10/07/15
地域の力を活かした住宅支援事業
2009年9月末から10月にかけてフィリピンは何度も台風に見舞われ、多くの家屋が被災しました。フィリピン赤十字社は国際赤十字の支援を受けて、緊急救援活動後、住宅が全・半壊した人々のために住宅支援事業を開始しました。
発災から9カ月経った今、被災者たちは住環境を取り戻しつつあります。
フィリピン最大の島、ルソン島にあるラ・ユニオン州、ラグーナ州、パンガシナン州の計630世帯が、赤十字が配布した建材や工具を使って、自分たちで建てた住宅に暮しています。また、ブラカン州、カリンガ州、リザル州を加えた6つの州で1,600棟の住宅が建設途中にあります。
写真左:被災した住宅 ©IFRC
写真下:被災者に聞き取りをする松永駐在員
ラグーナ州に住むクリスティ・フォルネスさん(43歳)は「私たちは日々、食卓に食事を並べるのにも苦労していました。台風は私たちに悲惨な状況をもたらし、希望をも奪い去っていきました。どうしていいか途方にくれるだけで、家を建て直せるかどうかも分かりませんでした。」と言います。
住宅支援を受けた人の多くは貧困家庭で、被災後、自分たちの力では住宅を再建することができなかったのです。
国際赤十字の住宅支援事業を担当する松永一駐在員は「今回の台風の規模や被害は台風慣れしているフィリピンの人々も驚くほどだったそうです。私は被災から1カ月半経った11月半ばに日本赤十字社から派遣されましたが、まだ水浸しになっているところや、崖崩れ、テント暮らしをしている人がたくさんいました。」と赴任当時の様子を語ります。
■テントからより良い生活へ
父親、ご主人、4人の子どもたちと共に、7人でテント生活を余儀なくされていたクリスティさん。今年の初め、フィリピン赤十字社の人から、クリスティさんの家族が赤十字の住宅支援の対象となることを知らされました。
住宅用の資機材を受け取り、近所の人に建て方を教えてもらいながらクリスティさんの兄と17歳の長男が1カ月ほどで家を建てました。この家は強風に耐えられる設計になっています。
フィリピンの地域住民同士が助けあう習慣は、住宅建設にも活かされています。
赤十字は住宅支援を受けた家族に対して、台所用品や清掃用品も配付しています。被災者の多くが農地、家畜、漁具といった生計手段を失ってしまったため、赤十字は今後、これらの人々のための生活再建事業も予定しています。
写真上:隣近所、助け合いながらの建設作業 ©IFRC
写真中:完成した住宅
写真下:台所用品などが入った物資を受け取る女性
■半壊住宅には修繕キットを
住宅の建設だけでなく、赤十字は半壊住宅を修繕するためのトタン板、ココナッツ材、電線、コンセント、金づちやノコギリといった資機材を5,000世帯に提供しました。資機材を受け取った人たちは、やはり自分たちの手で家を修繕します。
赤十字の支援を受けた6児の母であるエルヴィー・オーグレンさん(33歳)は「天のたまもの」と喜びをおさえ切れません。彼女は首都マニラから480キロ離れたカリンガ州という山間の地域に暮す1,000世帯の受益者の1人です。
「台風で屋根が破損した私の家は、雨が降ったり嵐が来る度に雨漏りしていました。赤十字の資機材を使って屋根を補強したため、雨漏りを防げるようになりました。」とエルヴィーさんは言います。
■さらに必要な支援
赤十字は、2009年の台風被害支援のため、6,500世帯分の住宅建設と、10,000世帯分の修繕用資機材を提供する住宅支援事業を計画しました。しかしながら、国際赤十字の要請に対する支援は5割にとどまり、事業規模も縮小せざるを得ない状況にあります。現在確保できている資金では、住宅建設で予定していた6,500世帯に対し3,500世帯分、補修用資機材は10,000世帯に対し5,000世帯分しか支援できません。これは当初予定していた数の半分であり、国際赤十字はさらなる支援を必要としています。
住宅支援事業は建設地を確保するための交渉も必要で、時間のかかる事業です。被災者の大多数が水害リスクの高い危険地域に暮していました。毎年20もの台風が上陸するフィリピンで、赤十字は地元政府と協力しながら、安全な土地を確保し、住宅建設を進めています。