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赤十字が支援するソマリアの病院が砲撃の標的に
10/07/05
アフリカの角と呼ばれるソマリア半島に位置するソマリアは、1960年に独立を果たしてからも内戦状態にあり、1991年以降は正式な政府が存在せず、常に混乱が続いています。
1992年に国際連合は平和維持活動(PKO)による多国籍部隊を派遣しましたが、国連に対する武力攻撃が激化し、1995年には撤退を余儀なくされました。
赤十字国際委員会(ICRC)は1982年からソマリアでの活動を開始し、1994年以降は隣国ケニアの代表部を拠点に、紛争犠牲者に対する支援や、自然災害への対応、紛争当事者に対する国際人道法の普及に努めています。
■ 赤十字マークのついた医療施設・スタッフは保護されるべきである
ソマリアでは政治機能と共に18年前から保健医療サービスが消滅し、基礎的な医療機能は低下する一方です。このような状況の中、ICRCは首都モガディシュにあるソマリア赤新月社が運営する2つの外科病院に対して医療資機材や医薬品の提供、医療スタッフの育成を行っています。ICRCが支援する病院では紛争に関わるすべての当事者や民間人を受け入れ、医療活動を行っています。
6月29日と30日、ICRCが支援するキーサニー病院が赤十字マークを明らかに見えるように掲げていたにも関わらず、砲撃の標的になり、患者1名が死亡、負傷者が多数発生しました。※
この病院には紛争によって負傷した患者が救急処置のために搬送され、処置を受けるのを待っていましたが、今回の攻撃により患者だけでなく病院建物の屋根や壁も甚大な被害を受けました。
ICRCソマリア首席代表のパスカル・モシュルは、「今回の事件には衝撃を受けています。紛争に関わるすべての勢力に対して国際人道法を遵守するよう、また医療施設に注意を払うよう繰り返し述べてきました。それにもかかわらず、負傷者や医療スタッフの置かれる状況は日々、危険度を増しています。」と事態の深刻さを語ります。
ICRCとソマリア赤新月社は、6月30日の砲撃後、再度、紛争に関わる全勢力に対して赤十字を掲げた医療施設を攻撃することは国際人道法に反する行為であることを訴えました。そして紛争当事者は赤十字マークを付けた医療スタッフや医療施設に対する戦闘行為を行ってはならず、攻撃体制や軍隊の配置については、病院や民間人への危害を最小限に抑えるための対策を講じる必要があることを強調しています。
キーサニー病院では今年に入ってから、女性300人以上、子ども約200人を含む1,400人近い紛争犠牲者を受け入れ、治療を行っています。
日本赤十字社は、ソマリアにおけるこうした非常に厳しい状況に置かれた紛争犠牲者に対するICRCの活動を支援するため、「海外たすけあい」キャンペーンにお寄せいただいた皆さまの救援金から2,000万円の資金援助を行っています。
※赤十字マークは、戦争や紛争などで傷ついた人々と、その人たちを救護する軍の衛生部隊や赤十字の救護員・施設などを保護するためのマークです。紛争地域等で「赤十字マーク」を掲げている病院や救護員などには、絶対に攻撃を加えてはならないと国際法や国内法で厳格に定められています