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国際赤十字が2010年の年次計画を発表

10/02/15

安否調査活動を行うICRC職員(南オセチア)© ICRC/J. Powell

国際赤十字は2010年の年次活動計画を発表し、各国政府や各国赤十字社・赤新月社からの支援を求めました。本号ではその概要を紹介します。

【赤十字国際委員会(ICRC)】
紛争犠牲者の保護・救援活動を行う赤十字国際委員会(ICRC)は、総額約9億8千万スイスフラン(約833億円)の年次活動計画を策定しました。これは前年の当初予算とほぼ同程度です。
ICRCのクレヘンビュール事業総局長によれば、近年の紛争には、はっきりとした和平協定に基づく終戦がなく、戦況が変化するままICRCの支援活動が20年から40年に長期化しているのが特徴となっています。紛争の一番の原因は経済やエネルギー資源の獲得をめぐる争いですが、その他にも国家の弱体化やインフラの崩壊、むき出しの敵意、政治的グループや犯罪集団、環境破壊、干ばつ、洪水、パンデミック等が複雑に絡み合っています。こうした複合的な要因が、人道支援を特に困難なものにしています。
従って、人々のニーズに対して適切な支援をする際には、ICRCはそのような現地の状況を十分に理解する必要があるとしています。

支援物資を運ぶICRC職員(コロンビア)© ICRC/Ch. Von Toggenburg

~アジア・アフリカ地域の支援ニーズが高まる~
地域別にみると、アジア地域、とりわけアフガニスタンやパキスタンにおける予算が増加しました。またスーダンやコンゴなどアフリカ諸国のニーズも依然として高まっており、全体の 予算の6割以上を占めています。(表1参照)
国別にみると、アフガニスタン(約73億円)へのアピール(支援要請)が最も多く、次にイラク(約72億円)、スーダン(約65億円)、コンゴ民主共和国(約56億円)と続きます。
事業別にみると、人道支援活動の予算が最も大きな割合を占めており、アピールの6割に上っています。

(表1)ICRC予算総額に占める地域構成比と事業分野構成比

地域
アフリカ 38%
アジア・大洋州 25%
欧州・アメリカ大陸 15%
中東・北アフリカ 22%

事業分野
抑留者訪問・安否調査等 19%
人道支援活動 58%
人道法普及・紛争予防事業 14%
紛争国赤十字社との協力事業 9%

被災地で外科手術を行う赤十字職員(ハイチ)© Norwegian Red Cross/Olav Saltboneds

【国際赤十字・赤新月社連盟】
災害時の救援活動や開発協力等を担う国際赤十字・赤新月社連盟(連盟)は、総額 約2億1千万スイスフラン(約178億円)の年次活動計画を策定しました。連盟のゲレタ事務総長は、「今年の年次活動計画は、『連盟2020年に向けての戦略』を具体化したもの」と述べています。この戦略では3つの目標を掲げており、その達成のために連盟は各国にある赤十字社に対し、技術的なアドバイスの提供や知識の共有、事業実施の調整、能力開発、また赤十字としての全世界的な広報を行います。


目標①いのちを救い、暮らしを守り、災害や危機からの復興を強化する
各国の赤十字社・赤新月社が、それぞれの国の政府の救護計画において、政府を補完する役割を担っており、そのために災害対策事業を実施することとされています。また、各国赤十字社・赤新月社が、地域に根ざした健康促進プログラムや救急法の事業を行っています。

目標②健康で安全な生活を確保する
訓練された各国赤十字社・赤新月社のボランティアは、地域社会に根ざした様々な活動を行っています。例えば、マラリアの感染予防のために、2002年以降国際赤十字が1,750万人へ配付した蚊帳により、289,000人の人々が死を避けることができました。米国疾病予防管理センター(CDC)の調査によると、蚊帳の効果的かつ継続的な使用に関する指導をボランティアが行った地域では、その使用率が22%も上昇するとされており、このプロジェクトにおいて、赤十字ボランティアの草の根の活動は大きく評価されています。

鳥インフルエンザ対策の指導をする赤十字職員(メキシコ)© IFRC/Jose Manuel Jimenez

目標③社会統合と非暴力、平和を促進する
政治や宗教の対立など社会的に不安定な地域でも各国赤十字社・赤新月社は活動しています。例えば、アフガニスタンで唯一の全国展開する人道機関として活動しているアフガニスタン赤新月社では、様々な社会統合プログラムを実施しています。450人の女性のピア エデュケーターに対してHIV/エイズ予防の教育を行ったり、全国に設置されているユースクラブにおいては、ボランティアの内女性が38%を占めるなど、男性ばかりでなく女性とともに活動を行っています。

~ACTING LOCALLY, IMPACTING GLOBALLY~
今年の年次活動計画は、連盟事務局が186ある各国赤十字社・赤新月社の活動を促進し、調整し、調和させることに焦点を当てています。その結果、全世界の赤十字が一丸となって 上記3つの目標を達成することを目指します。地域別でみると、依然として高い人道ニーズが存在するアジア・アフリカ地域が全体の半数以上を占めています。(表2参照)地域毎の具体的な事業については、次の国際赤十字・赤新月社のウェブサイトをご覧ください。(http://www.ifrc.org/where/plan_budget/index.asp

救急法のデモンストレーションを行うアドリアナ・カランブー(モデル・フランス赤十字社広報特使) © French Red Cross

(表2)連盟予算総額に占める地域別構成比
地域
アフリカ 31%
北米・中米・南米 9%
アジア・大洋州 22%
欧州・中央アジア 8%
中東・北アフリカ 4%
国際・地域プログラム等 26%





*写真*(上から)
・安否調査活動を行うICRC職員(南オセチア)© ICRC/J. Powell
・支援物資を運ぶICRC職員(コロンビア)© ICRC/Ch. Von Toggenburg
・被災地で外科手術を行う赤十字職員(ハイチ)© Norwegian Red Cross/Olav Saltboneds
・鳥インフルエンザ対策の指導をする赤十字職員(メキシコ) © IFRC/Jose Manuel Jimenez
・救急法のデモンストレーションを行うアドリアナ・カランブー
(モデル・フランス赤十字社広報特使) © French Red Cross

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