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(速報9)ハイチ大地震 始動した日赤の仮設診療所
10/01/28
1月17日に日本を出発した日本赤十字社の医療チーム(基礎保健ERU※)は、20日からハイチ共和国の首都ポルトープランスで被災者の治療活動にあたっています。医療スタッフと同じ日に日本を出発した医療資機材も22日に到着しています。
日赤チームが被災者のニーズに最大限応えるべく、慎重に設置場所の調査を重ねた結果、ポルトープランス市内にある日系の自動車販売所の敷地を借り、診療所を設置することを決定しました。そして、24日にはテントや医療器具といった資機材を組み立て、診療所の立ち上げが完了し、診療を開始しました。
※基礎保健ERU・・・小規模な手術を含む基本的な治療を行うユニット
(写真上)約7トンの医療資機材がポルトープランスに到着した
(写真左)診療所となるテントを組み立てる日赤医療スタッフ
■次々と仮設診療所を訪れる患者たち
日赤の仮設診療所の診療時間は毎日、9時から16時までです。
診療所を立ち上げた2日目には79人の患者が訪れました。その内1割は地震による外傷患者で、ほかは地震前、もしくは地震後に発症したと思われる頭痛、腰痛、発熱といった疾患が大半を占めていました。
訪れた患者の一人、40代と思われる女性患者はかなり重症で、地震で足を骨折した後、ギブスをはめていましたが、診療所に来たときはギブスの中で化膿している状態でした。キブスをはめる前にきれいに傷口を洗っていなかったことが原因と考えられます。
結果として、ギブスをはずして化膿した組織を取り除くという大掛かりな手術を行うことになりました。局部麻酔を伴う手術にもかかわらず、女性は大変痛そうな様子でしたが、帰るころには笑顔になり、5日後に再度受診することを約束してくれました。
医療活動を行う関塚看護師は「診療所には高血圧や糖尿病といった生活習慣病を伴った人も来ます。中には血圧が200を超える人もいて、30℃を超える気温の中では脳梗塞などを起こす恐れもあります。この患者には血圧を下げる薬を処方し、経過をみることにしました。地震によって多くの病院や診療所が倒壊したため、十分な治療を受けることができません。人々に必要な医療支援がまだまだ足りていない状態です」と語ります。
日赤の仮設診療所の近隣には避難民キャンプがあり、多くの人々がこの診療所を利用することが予想されます。
■医療活動に欠かせない血液供給
血液供給サービスはハイチ赤十字社の活動のひとつです。ハイチ赤十字社の輸血センターの建物自体も被災したことから、一時的にハイチ国立大学病院内に輸血所を設け、今も地震による負傷者に対して血液を提供し続けています。
ハイチ赤十字社は国内での献血協力の呼びかけと医療機関への供給を行い、地震前は国内の血液供給の65%を占めていました。ハイチ赤十字社の血液事業に対し、2万人の献血者が協力していましたが、震災により献血システムはほとんど機能していないことから、国際赤十字はハイチ赤十字社の血液供給システムを復旧させることが急務であると考えています。
(写真)被災したハイチ赤十字社の輸血センター。今は大学病院内で機能を果たしている ©IFRC