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スマトラ島沖地震・津波災害から5年(その1)

09/12/25

津波が起きて1年後のダヤバロ村の養殖池の様子

 2004年12月26日のスマトラ島沖地震・津波災害から5年が経った被災地のインドネシア共和国アチェ州では、住宅など建物が再建され、人々も笑顔を取り戻し、地震や津波の被害に遭ったとは思えないほど復興が進んでいます。日本赤十字社はアチェ州バンダアチェ市ダヤバロ村において、2006年4月から2009年12月まで養殖池の再建や地域の防災活動、経済的に苦しい女性たちへの生計支援などさまざまな事業を行いました。

 ダヤバロ村はバンダアチェ市沿岸部に位置する人口1,500人の村でしたが、津波により、人口の8割にあたる約1,200人が死亡するなど壊滅的な被害を受けました。(左写真:津波が起きて1年後のダヤバロ村の養殖池の様子)

再建されたダヤバロ村の養殖池(2009年10月)

 同村にはたくさんの養殖池がありましたが、津波の影響によって土砂や建築物の残骸が大量に流れ込み、養殖池としての機能を果たせなくなりました。そこで日赤はインドネシア赤十字社とともに同村での人々の生活基盤となっていた養殖池の再建と村民の災害に対する備えを強化すべく、地域防災活動に取り組むこととしました(左写真:再建されたダヤバロ村の養殖池、2009年10月撮影)。

 しかし、津波災害後のダヤバロ村は村民の多くが亡くなったこと、また新しく移住してきた人々と以前から居住している人々との間に発生した軋轢により、コミュニティの関係が希薄になり、それが一時、事業の進捗状況にも大きな影響を及ぼしました。そこで、養殖池の再建については、村民も工事に参加するなど、なるべく村民を巻き込むような形で事業を行い、地域での交流の機会を多く設けました。最初は話し合いの場にも参加しなかった村民も、毎日のようにダヤバロ村に足を運ぶ日赤の駐在員やインドネシア赤十字社の職員らの存在を認め、やがては養殖池再建に向けて積極的に工事に携わるようになりました。

地域防災ボランティアの高校生

 一方、地域の災害対策能力を高めることを目的として、村の高校生、大学生を中心とした地域防災ボランティアチームを結成し、津波が発生した想定での訓練に取り組んだり、地域の防災マップを作成したり、また救急法の講習を受けるなどの活動にも力を注ぎました。 地域防災ボランティアチームのメンバーである高校生のデラさんは「今でも海を見るのが怖いです。でも、地域を自分の手で災害から守りたいから、ボランティアチームに参加しています。この活動に参加して、村への愛着がより強くなりました」と話しました。今では地域防災ボランティアチームの活動に興味のある村民がメンバーに活動内容を尋ねたり、村の年長者が防災活動についてアドバイスを送るなど、ダヤバロ村全体が再び絆を取り戻しつつあります(左上写真:地域防災ボランティアの高校生)。

 コミュニティの絆が一時は途切れそうになり、事業が停滞した時期もありましたが、住民との対話を重ね、相互理解を深めた結果、今年の12月をもってダヤバロ村での全事業を無事終了することができました。5年という短くも長い時間の中で、ゆっくりとではありますが、本事業を通して、住民間の信頼関係を再び築くことができたことがダヤバロ村での事業の一番大きな成果となりました。日赤は、今後もダヤバロ村がどのような発展を遂げていくのか、インドネシア赤十字社や地元自治体の協力を得ながら見守り続けていきます。

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