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ミャンマーサイクロン: 小学校の再建事業

09/10/16

 昨年5月に発生したサイクロン・ナルギスから1年以上が経過しました。赤十字では引き続き、被災者が元の生活に早く戻れるよう復興支援事業を実施しています。今年4月からは、最大被災地のエヤワディ管区(ラプタ、チャイラット、ディディエ、ボガレー、ピャポン、ナプドー、モウラミャインジュンの1県6地区)で小学校の再建事業を開始しました。本号では、現地で同事業に携わっている天田裕子駐在員からの進捗報告をお送りします。

仮設校舎で勉強する子どもたち

■ 小学校の再建事業開始
 現在、ミャンマー赤十字社が取り組んでいるのは、小学校(※1)84校の再建です。エヤワディ管区では、先のサイクロンにより4,000校以上の学校が全壊または一部損壊し、いまだに8割近くが仮校舎のままです。また、もともと同管区では、雨季には暴風雨のため校舎が床上まで浸水し、授業が行えなくなるという問題を抱えていました。新しい小学校は、従来の建物より防災面が強化されたもので、洪水対策として床を地上から1.5メートルの高さに設置し、鉄筋コンクリートの柱を採用するなど強風にも対応できる構造となっています。そのため、暴風雨が発生した際には、住民が一時的に避難所として利用することも可能になります。
※1 一部小中学校合同校舎

ボゴン村の建設予定地で。天田裕子駐在員と子どもたち

■ ラプタ県での取り組み
 ラプタ県では、これまでに約60校の小学校が再建されましたが、これは再建が必要とされる小学校のわずか2割に過ぎず、ミャンマー連邦政府は、同県を再建支援の最重要地区と指定し、復興を推進しています。中でも赤十字が同県に建設する15校は、①被害が大きい(校舎が全壊)、②児童・生徒数が多い、③他の機関による支援がない学校が中心であるため、早急な対応が望まれています。
 ボゴン村の小学校もその中の一つです。デルタ地帯のエヤワディ管区では、移動手段の多くはボートに限られ、交通の便はよくありません。しかしボゴン村は、ラプタ県都ラプタ町からボートで1時間という、県内では比較的交通事情のよい村です。また、赤十字ボランティアの活動が非常に活発な村でもあります。
 ボゴン村では、先のサイクロンでの死者・行方不明者数が448人にのぼり、現在村の人口は1,907人になってしまいました。その4割にあたる735人が、新しい小学校に通う予定の子どもたちです。ラプタ県では、再建した小学校を2部あるいは3部制にして小学校不足に対応していますが、ボゴン村小学校の児童たちも例外ではなく、現在は近隣村の小学校を間借りして授業を受けています。しかし、ボゴン村の児童数は非常に多いため、間借りしている小学校では教室数が足りず、勉強するための十分なスペースを確保できないのが現状です。「早く自分たちの小学校に通いたい」という子どもたちの思いに応えるために、赤十字では10月中に始まるボゴン村小学校の建設に向け、日々準備を進めています。

委員会で発言するボゴン村の代表

■ 小学校建設への期待と今後
 小学校建設事業には、赤十字と各地方自治体(地区教育局や保健局など)の関係者が合同で委員会を立ち上げ、事業全体の管理を行います。また、各村では校長先生や村平和開発評議会(※2)の代表が、赤十字のエンジニア等で構成される委員会と共同で建設のモニタリング を実施します。先日、赤十字が中心となりボゴン村で委員会を設立した際、村の代表から「6月に新学期も始まり、もうこの村には小学校が建設されないのではないかと心配していました。本日、ようやく小学校が建設されると実感できました」と挨拶がありました。また、ラプタ県平和開発評議会の代表も、「政府が建設した小学校の中には、モニタリング(※3)が上手く機能せず、期待したような校舎が建設されなかった経験があるので、モニタリング技術を活用し、立派な校舎を建ててください」と赤十字の小学校再建事業に期待を寄せています。
※2 平和開発評議会:行政を主導する機能で、国・県・地区・村の各レベルにある。現国家元首は、タン・シュエ国家平和開発評議会議長。
※3 監視、点検

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