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「ジャワ島中部地震」復興支援3周年を迎えて その2

09/05/28

ジャワ島中部地震 復興支援3周年を迎えて
~水への思い 住民の手で完成した貯水槽~

 2006年5月27日発生のジャワ島中部地震から3年。日本赤十字社(以下、「日赤」)は、皆様から寄せられた救援金をもとに、震災直後の緊急救援、被災者の生活基盤と倒壊した公共施設の復旧活動を行ってきました。また、発災1年後からは、まだ支援が行き届いていなかった身障者に対する自立支援と被災地全体の生活の改善を目的とした支援活動を展開しています。
 この一環として、日赤はインドネシア赤十字社とともに、被災地全体の生活の改善に資するため、乾季の生活用水確保を目的とした雨水貯水槽設置事業を進めてきました。








(設置された雨水貯水槽と住民 @日本赤十字社)


■「ゴトンロヨン(相互扶助)」の精神
 ジョグジャカルタ州グヌンキドゥル県。この地域では震災前から恒常的に水不足に悩まされており、飲料水を購入しなければならないことは特に所得水準が低い住民にとって死活問題となっていました。震災後は、これまで水を得られていた地域においても井戸水が枯れるという事態となり、渇水被害が拡大しました。この地域の人々は地震に加え、渇水という二重の苦しみを抱えることとなったのです。
 これに対し、日赤とインドネシア赤十字社は水不足の地域における雨水貯水槽の設置を支援することとし、建設・衛生面での技術支援および必要な資機材の提供を行いました。建設は、受益者である村民自らが「ゴトンロヨン」によって1基あたり4日間かけて作業を行いました。

 「ゴトンロヨン」はインドネシア語で相互扶助を意味します。皆が無償で一緒に農作業をしたり、村のモスクを建てたり、冠婚葬祭を行うとき等に使われ、特にジャワ地方では日常に溶け込んだ言葉となっています。
 グヌンキドゥル県の村々では、乾季の渇水被害を軽減したいという村民自らの思いが強く、積極的に貯水槽の設置場所を提供し、連帯して作業を行い、中には住民たちが自らお金を出し合って水道パイプなどの資機材を購入するケースもあるなど、「ゴトンロヨン」により、村民自らが水を得るために協力をしています。








(住民が建設作業に加わっている様子 ©日本赤十字社)








(雨水貯水槽から水を得る村民 @日本赤十字社)


■インドネシア版ギネスに認定!
 2007年8月から雨水貯水槽の設置を始め、2009年3月末現在でその数は1062基。受益者は9,000世帯約35,000人に及びました。そして、この1062基という数が「ゴトンロヨンによって建設された最多の雨水貯水槽である」とインドネシア記録博物館(MURI)から認定を受けることに。
 この認定は、この事業が多くの村人に生活用水を提供したということだけではなく、この事業を通じて「ゴトンロヨン」の精神が強化されたことが評価された結果です。言い換えれば、お互いが助け合うことで被災から立ち上がる、その強い意思と連帯感をもって建設に携わってきた35,000人の村人の努力が評価された結果とも言えます。その意味では、復興支援において被災者(被災地域)の自主性を重視してきた日赤にとっても、この認定は大変喜ばしいものと受け止めています。
 なお、建設は現在も続き、その数は1,201基にまで増えています。






(表彰式の模様、 MURIの代表者(中央左)から表彰を受け取るグヌンキドゥル県知事(中央右)と五島日赤代表(右)  @日本赤十字社)


■ 水への思い ~住民の手で完成した雨水貯水槽~
 本事業を進めてきた現地の五島三保子(ごとう・みほこ)日赤代表駐在員は、こう言います。
 「渇水に悩む地域は街中からのアクセスが悪いところが多く、車が通行できない地域では、女性、子ども、老人すべての村人が参加してトラック4台分のセメント、鉄筋などの資材を道路から運ばなくてはいけません。中には2、3日かけて運ばなければいけないところもあり、かなりの重労働です。昨年この重労働をするには遠すぎて、貯水槽をあきらめなければならない地域がありました。その後、その地域では、貯水槽の建設のために、村民が自力で村から1キロのところまで道路を整備したのです。その期待に応え、今年、ようやくその村でも貯水槽を作ることができたのですが、我々としてもそうした村民の声に応えることができて、嬉しく思います。」
 「私たち赤十字ができることは、技術的な支援のほかには、ただ足しげく村に通い、村民を激励する程度しかありませんでした。全ては、水を確保したい、という彼らの努力によるもので、雨水貯水槽の設置も彼らの成果なのです。」








(雨水貯水槽の前で 住民と五島代表(右から2人目) @日本赤十字社)


 日赤のジャワ島中部地震復興支援も発災3周年を迎え、いよいよ終盤。この雨水貯水槽の設置支援も、本年6月に終了します。日赤は、インドネシア赤十字社とともに、支援の成果が持続するようフォローアップを実施するとともに、今後に活かせる教訓を取りまとめていく予定です。

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