ページ内を移動するためのリンクです。



ホームページ > 国際活動TOP > ニュース一覧 > ミャンマーサイクロン: 発災から1年

ニュース

ミャンマーサイクロン: 発災から一年

09/05/02

ミャンマーに未曾有の被害をもたらしたサイクロン・ナルギスの発生から、5月2日で1年になります。死者行方不明者13万人以上、被災者240万人という大きな被害は、ミャンマーの人々に大きな傷跡を残し、現在も人々は困難の中から立ち上がろうと努力を続けています。
赤十字は、発災後すぐに約5千人の赤十字ボランティアを増員し、緊急救援活動を行いました。8月以降は徐々に復興支援に移行し、特に被害の大きかったエヤワディ管区、ヤンゴン管区の13郡10万世帯を対象に、生計再建、保健衛生、シェルター、防災対策などの復興支援活動を2011年まで実施します。
天候が不安定で、通信交通の非常に不便なところが多く、各村に物資を供給するのにも大変時間がかかり、一日がかりでボートで移動することもあります。しかし、現場では多くの赤十字ボランティアが活躍するとともに、支援を受ける住民もまた、自分の家族や家財を失いながらも、元の暮らしを取り戻すために前進を続けています。

住民が協力して道路の補修を行う (©IFRC) 

■生計を再建する

エヤワディ管区では、農業、漁業、畜産、小規模商店など、さまざまな生業が営まれていましたが、サイクロンにより田畑には塩水が浸水し、漁業ボートや水牛、あひるなどの家畜も流されるなど、住民の多くが生計を立てる手段を失いました。
赤十字は、村のインフラを整え、現金収入を得る機会を提供しようと、最も脆弱な住民を中心に、44のCash for Work事業(キャッシュ・フォー・ワーク: 住民自身が生活を再建するために、収入の機会を提供する事業)を実施し、村の農道、橋、船着場などを修復する作業を行いました。この作業に参加した住民たちからは「家族に何か食べ物などを買いたい。作業を通じて、私たちの力で、村をきれいにできてうれしい。子供たちも安心して橋を渡ることができる」と歓迎されています。また、従来の生計手段を回復するための資材購入支援や、新たな生業技術を得る機会の提供などを行っていく予定です。(写真:住民が協力して道路の補修を行う ©IFRC)

住民参加型の衛生教育指導をするボランティア (©IFRC)

■健康を取り戻す

今後の災害時に発生しうる感染症の予防をコミュニティレベルで気づき、考え、実行できるように、村や小学校などを中心に地域衛生教育事業を実施しています。
また緊急時に住民主導で負傷者の手当てができるよう、救急法の講習を実施し、体制を整えています。同講習を受けると赤十字ボランティアとして登録され、その後も赤十字活動の中心的な役割を担うことが期待されます。4月に入って気温が上昇し、水不足のために脱水や発熱、下痢症などの症状を示す住民も増えました。赤十字ボランティアは、手当てや病人の搬送などを手伝い、貯水池や村の清掃、貯水槽の設置、衛生的なトイレの建設なども目指しています。
12月に赤十字が行った調査では、約半数以上の住民が今も不眠や頭痛、孤独感を訴えていました。家族や友人を失い、深い心の傷を負った住民に対し、地域ぐるみで互いに支えあう関係作りを強化した「こころのケア」を実施しています。専門のカウンセラーをはじめ、同様の体験をした赤十字ボランティアも活躍しています。(写真: デダエ村で住民参加型の衛生教育指導を実施する赤十字ボランティア ©IFRC)

より快適な住居の再建へ  (©IFRC)

■家族団らんの場を取り戻す

サイクロンでは、多くの住民が強風と高潮により、家族と共に暮らす家屋を失いました。緊急救援の後、自力で住宅を再建する住民もいましたが、高齢者や女性世帯主の世帯など自力での再建が難しく、いまだ仮設住宅に暮らす住民も多数いるのが現状です。
シェルター事業では、特に脆弱な世帯を中心に住宅再建支援を行い、同じ村の住民からなる復興チームが再建を手伝います。再建に必要な資材は地元で調達可能な竹や木材、大葉を利用して、住民自身が再建します。
また今後は災害時に住民の避難場所となりうる学校などのコミュニティ施設および赤十字ボランティアポスト(ミャンマー赤十字ボランティアが常駐し、活動の拠点とする)の建設を開始し、赤十字活動の地域住民参加を目指します。(写真: 雨風をしのぐための仮設住宅から、より快適な個人住宅を建設していく ©IFRC)

ミャンマー赤十字社倉庫の救援物資 (©日本赤十字社)

■将来の災害に備える

今回のように大きな災害にこれまで遭うことのなかったミャンマーは、自然災害に対する備えが十分ではありませんでした。今後起こりうる災害に備え、赤十字はミャンマー全国20ヶ所の倉庫に毛布、衛生セット、ビニールシートなどの救援物資を備蓄し、災害対策マニュアルを作成して人材を育成するなど、緊急救援に対する備えを進めています。
また、災害時において住民への支援が特定の分野に偏ることのないよう、保健・衛生分野など他分野とともに、包括的な支援ができるような体制を整えていきます。(写真: ミャンマー赤十字社倉庫の救援物資 ©日本赤十字社)

パテイン郡の子どもたちの笑顔 ©IFRC


■今後の支援

日赤は、上記分野に支援を行っているほか、本年4月からは小学校建設事業の支援を開始しました。5月からミャンマーは徐々に雨季に入り、乾季に比べて被災地へのアクセスは容易ではなくなりますが、赤十字の強みである「世界のネットワーク」と、ボランティアや住民との「地域のネットワーク」を活かし、生計、家屋、学校再建、保健衛生、水、防災の各分野がひとつになって、村全体の復興支援に取り組んでいきます。被災者の心からの笑顔が一日でも早く戻るよう、日赤は今後も積極的に支援を進めていきます。
これからも、ミャンマーサイクロン復興支援を見守っていただければ幸いです。(写真: パテイン郡の子どもたちの笑顔 ©IFRC)

ダウ・デインさんと孫ののミンちゃん

Human Story 「残された孫とともに」 
-ダウ・デインさんの話-
「この孫が生きていることが、今の私の希望です」。70代後半のダウ・デインは、からっぽになった哺乳瓶をくわえる孫のミン・アウン・トゥを見ながら言いました。親戚同士が助け合いながら生活をしていますが、ダウ・デインと孫のミンにとっては精神的にもつらい日々が続いています。
サイクロン発生時、水位が頭上まで届く中で、幼いミンの父親は彼を高いところへ避難させましたが、母親は流されてしまいました。このような体験をしたダウ・デインの顔からは、深い苦悩の表情が読み取れます。しかし常に前向きな彼女は、「支援をいただくのも私たちには大切なことですが、自分たちのことは自分たちで解決していかなくてはなりません。船と網があれば、すぐにでも漁に出るのですが」といいます。さらに彼女は、自身の生活を再建するだけでなく、村の復興支援にも一役買いたいと考えています。
そんな彼女の前向きな姿勢がパン・プー・ミット・タン村全体に広がり、赤十字の支援で生計再建プロジェクトが始まりました。村の住民が協力し合い、河岸の補強、小さな橋の再建や清掃活動などを行い、現在では現金収入を得られるようになってきています。ダウ・デインも、ミンとの生活の建て直しに向けた第一歩を踏み出しました。(写真: ダウ・デインさんと孫のミン・アウン・トゥちゃん。ミンちゃんは、わずか9ヶ月で母親を亡くした ©IFRC)

ページTOPへ
  1. よくあるご質問
  2. 出版物・グッズ
  3. リンク集
  4. 情報公開案内
  5. プライバシーポリシー
  6. リンクについて
  7. サイトマップ
  8. 入札・契約情報
  9. お問い合わせ