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青少年赤十字の普及に取り組んだ2年間 ~スマトラ島沖地震・津波災害復興支援事業~
08/07/22
2004年12月のスマトラ島沖地震・津波災害からすでに3年半が経過しました。日本赤十字社は2010年3月まで5ヵ年の復興支援事業を展開しています。今回は、インドネシアとスリランカで2006年から展開している青少年赤十字活動についてお伝えします。
■ インドネシア:被災地で未来のボランティア育成を目指して
最大の被災地となったナングロ・アチェ・ダルサラーム州(アチェ州)は、長く紛争の続いた地域でもあったため、外国からの支援が及びにくい土地でもありました。そんな中、インドネシア赤十字社(PMI)のボランティアが懸命に救援活動を行う姿に大きな感銘を受け、これからの未来を担う子どもたちを赤十字精神の下で育成することに、地元から大きな期待が寄せられています。
「アチェ州では長い間紛争が続いていたため、人々の生活は抑圧され、学校でも子どもたちの創造性を伸ばすような教育はされていなかったようです」と話すのは、事業担当の北島慶子駐在員。
日赤では、赤十字精神、公衆衛生、救急法、HIV・エイズ教育、リーダーシップ等の学習や訓練を行う青少年赤十字活動を通じて、アチェの子どもたちがより自由に自分を表現でき、自ら考えて行動を起こすことができるよう、支援を続けています。
その成果が少しずつ表れていることを、北島駐在員はPMIアチェ・トゥンガ県支部が行う「青少年赤十字フォーラム」で実感しました。同フォーラムは、主に学校の放課後に行う青少年赤十字活動を土曜日に行っており、メンバーたちが学校や家庭での様々な課題を議論する場を提供することにより、青少年育成の拠点となっています。
議長を務めている高校生のコニー君(写真)は、自信がない自分を変えたくて青少年赤十字のメンバーになりました。議長になったことで、リーダーとしての自覚を持てるようになり、少しずつ自信をつけてきました。この日も、参加した青少年のメンバーたちは、「周囲のゴミをなんとかしたい」「学校に行ってない子どもたちのために青少年赤十字を作りたい」「洪水防止のために植林したい」などの問題を挙げ、その解決方法を話し合い、コニー君がしっかりと会議をとりまとめていました。
「事業期間は残り1年となりましたが、PMIの支部ボランティアや青少年赤十字のメンバーたちには、次に何をすればよいのかを自ら考え、行動する力を養ってほしいです」と北島駐在員。日赤では、インドネシアの将来を担う青少年の育成のため、この活動を通じてPMIの組織基盤を強化する支援を2009年6月まで続けていきます。
■ スリランカ:学校での青少年活動を強化
スリランカでは、3ヵ年の事業として、被災した10県で、救急室を備えた青少年赤十字センター、コンピューター室やカルチャー・センターを設置しました。すでに2年を終え、青少年活動を継続するための基盤が整いつつあります。事業担当の北原聡子駐在員は、「スリランカ赤十字社は本社、支部ともに活動運営が軌道に乗り、昨年に比べて組織としての機能が強化され、人材も育ってきたように思います」と話します。
また、これまであまり活発ではなかった学校での青少年赤十字活動を、もっと普及するために、事業2年目に「青少年赤十字手帳」を発行しました。手帳には青少年赤十字の7分野の活動として「赤十字精神」「救急法」「地域の奉仕活動」「環境保全」「資金調達」「赤十字活動参加」「技術・特技分野活動」が示されており、手帳の記録がいっぱいになると、分野ごとに記念バッジがもらえる仕組みになっています。
この手帳が普及すれば、学校での青少年活動を自主的に実施しやすくなり、サークル活動として長く続けていくきっかけになると期待されています。また、バッジをもらえることが、メンバーの積極的な参加を促しており、スリランカ赤十字社青少年課長のファヒームさん(写真右)は、「日赤のお陰で、青少年活動の基盤がまたひとつできました」と誇らしげに手帳を見せてくれました。
事業の最終年度となる今年は、学校サークルをより効果的に実施していくために、担当教師の指導研修に力を入れています。