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中国大地震:地震から半年、被災地は今。

08/11/12

 2008年5月12日に発生し、8万人以上の死者、行方不明者を出した中国大地震から半年。被災者の多くは今もなお困難な状況の中、仮の住居や校舎などで日々の暮らしを送っています。
 中国政府は10月に入り、16兆円規模の3カ年の復興支援計画を発表、中でも地震で家を失った約450万世帯への支援のニーズは莫大で、最重要課題の一つとして掲げられています。これを受けて、国際赤十字も激震地での住宅の再建、また他の省等からの支援を受けられない地域での学校や保健施設の再建に取り組む予定です。
 日本赤十字社も、これから本格化する復興支援のために、10月より四川省成都市に現地駐在員として位坂(いさか)職員を派遣。中国紅十字会*および国際赤十字と現場で密に連携しながら、復興支援事業に本格的に取組んでいきます。(*中国の赤十字社)

 本号では、10月中旬から下旬にかけて、位坂職員が四川省、甘粛省、陝西省で行った支援予定地の視察をもとに、今の被災地の様子をお伝えします。

■住宅:廃材で補強した家やテントで暮らす農村部の人々
 四川省綿竹市は山の裾に田畑が広がる風光明媚な農村部であり、今回の地震で家屋の約8割が倒壊し、多くの方が亡くなった激震地の一つです。
地震直後にはほぼ全ての家が瓦礫と化したこの地区は、半年たった今も瓦礫の山があちこちに残ったまま、家の再建は進んでいません。
 一方で、一面に広がる田畑は丁寧に手入れが行き届いており、人々の生きる力を感じずにはいられません。
都市部の被災者は政府が建てた仮設の集合プレハブ住宅で暮らしていますが、綿竹のような農村の被災者の多くはビニールシートや壊れた建物から集めた廃材を使って、残された家の一部を補強したり、テント暮らしを続けています。元々経済的に貧しい農村部の多くの人々は、家の再建資金の目処がたたないために、住宅の再建に着手できずにいます。

 日赤は、ここ四川省内の綿竹市内の一つの地区で家の再建を必要としている全ての世帯、4,719世帯に対して、住宅の再建を支援する予定です。また、これから冬を迎える被災者に対して布団や衣類の配布も行います。

■学校:仮設学校にはじける子ども達の笑顔
 今年9月の新学期から、地震の被災地の全ての学校で授業が再開されています。倒壊しなかった校舎の多くも、天井や壁にひびが入るなどで政府から危険と判断され、建て替えのために取り壊しが行われている最中です。そんな中、生徒達は仮設のプレハブの校舎や、近所の農家の倉庫などを借りて授業を受けています。

 日赤の現地駐在の位坂職員が訪れた甘粛省の小学校の様子をご紹介します。

「ここは平坦な土地がほとんどなく、傾斜地とぬかるみの道が延々と続いています。梁村小・中学校も、地震で屋外トイレ以外の建物全てが破壊されました。
 
 先生や子供たちは、地震で無残に壊れた教室から机や椅子などを運び出し、その後立てられたプレハブの教室に持ち込んでそのまま使っています。そのため職員室や教室の一部の椅子は、地震で落ちてきた屋根によって腰掛部分がひび割れになっているものもありました。

 校長先生は『自分たちの今の条件は確かに良くありません。でもこの学校は地震発生時に運動場で全校のイベントをしていたため、学校は崩れ落ちたけど、誰一人怪我をせずにすみました。だから私たちは強運の持ち主なのだと思っています。今回、日本の赤十字が私たちの学校を再建してくれるのも、その強運がまだ続いているように感じずにはいられません。どうぞよろしくお願いします』と話しています。

 子供たちはとても純朴で人なつこく、カメラを向けると好奇心の塊になって寄ってきます。まだ何の工事も始まっていないのに、もう新しい学校が出来たかのように、子供たちは私の訪問を歓迎し、満面の笑みを浮かべてくれました。みんな本物の日本人を見たのはこの日が初めてだそうです。『この子達の笑顔にこたえたい』。それがこの学校を訪問した一番の感想でした。」

 日赤は四川省、甘粛省、陝西省において、合計12校の小・中学校の再建を支援する予定です。

■保健施設:仮設病院で迎える冬
 被災地の病院や村のクリニックは、学校と同様、地震によって建物が損壊し、安全な施設への建て替えのための取り壊しが行われている最中です。現在の診察状況は様々で、被害を免れた施設と仮設のプレハブ施設が併用さているところや、入院患者用に民家などを借りているところもあります。また、診療スペース以外の患者用の待合室を確保できず、寒い外で診察を待つ人々が行列をなしているところもなどもあります。

 (左写真)のどを痛めて、おばあちゃんに連れられて陝西省の仮設プレハブ病院を訪れた李恩澤くん(4ケ月)。「今は診療時も胸をはだけると寒さで震えてしまうこともある」とおばあちゃんは話します。

 日赤は四川、甘粛省、陝西省において、合計29ヶ所の病院、28ヶ所の村クリニックの再建を支援する予定です。

日本赤十字社の支援全体像 (平成20年9月30日現在)
1.緊急救援事業   (10億400万円)
1-1 緊急救援物資の購入、輸送   9億9,750万円
1-2 職員の派遣等   650万円
2.復興支援事業   (41億5,400万円)
2-1 個人住宅再建   19億7,100万円
2-2 学校再建   5億2,600万円
2-3 保健施設の再建   4億6,500万円
2-4 被災者の越冬支援   2億8,200万円
2-5 生計支援、災害対応、医療教育支援等   7億3,800万円
2-6 アジア大洋州広域防災物資の備蓄   9,000万円
3.事業管理費、広報   8,200万円
   合計:51億5,800万円

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