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シリーズ スマトラから2年 その3
~赤十字の支援の成果と課題~
06/12/28
スマトラ島沖地震・津波災害は、死者・行方不明者等約22万8千人、家を失った人2百万人以上など未曾有の被害をもらしました。赤十字は、住まいとコミュニティの再建や保健医療サービスの復旧・強化、将来の災害に備えた災害対策、更には、生活再建支援などの活動を2010年(平成22年)まで続けていきます。
写真左:被災児童のための心のケア ©IFRC
■これまでの支援の成果
世界100カ国以上で総額2,776億9千万円の支援が赤十字に寄せられ、このうち約40%にあたる1,104億4千万円の支援が平成18年9月までに実施されました。仮設住宅1万9千戸や住宅2万1千戸、学校51校、保健医療施設200箇所がすでに完成又は建設中であるほか、78万人に対する安全な水の供給や心のケア、仕事を再開するための資金提供やコミュニティでの防災訓練などが行なわれています。
日本赤十字社には、約16万6千件・98億7千万円もの救援金が寄せられ、これに日本赤十字社の活動資金を加えた105億8千万円をもって、被害の最も大きなインドネシアとスリランカを中心に、国際赤十字との連携・協力のもと、救援・復興支援事業を進めています。平成19年3月までには、約73%にあたる約77億円1千円の支援が実施される予定です。
■被災地の課題と求められる息の長い支援
その一方、被災地の復興に取り組んできたこの2年間、その道のりは決して平坦なものではありませんでした。例えば、日本赤十字社の事業においても、インドネシアのシムルー島では、離島のため住宅建設用の資材をスマトラ本島から船で搬入しなければなりませんが、地震と津波で港や道路、橋などのインフラも大きな被害を受けており、住宅建設地に運搬するだけでも困難な状況です。また、スリランカの北東部は、現在も民族対立による紛争が続いており、派遣員や工事関係者の安全確保のためにたびたび工事の中断を余儀なくされるなど、紛争が事業の進捗に大きな影響を与えています。更に土地の区画や所有権に関する複雑な手続き、建設物価の高騰、被災による地方政府の機能の低下など、被災国の復興の進捗を阻むさまざまな要因があります。
しかし、スピードを求めるあまり、再建される住宅や保健医療施設の安全性を犠牲にしたり、被災者の意向を無視した一方的な支援などは避けるべきと考えます。また、インドネシアやスリランカは津波以前から長年の紛争に苦しんだ地域でもあることから、被災前の状態に戻すだけでなく、くらしや健康、将来の災害への備えなどの面で、被災地の状況をより改善するための支援が必要とされています。こうした支援は、被災地域の住民自身の取り組みがなにより重要であり、現地の実情に合わせた息の長い支援が求められます。
写真上:完成した日赤の住宅に住む家族(スリランカ)
日本赤十字社は今後も、救援から復興、そして開発までも視野に入れた、切れ目のない支援を継続していきます。