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スマトラ島沖地震・津波災害から3年(その2)
~被災地での“人づくり”に取り組むスリランカ~

07/12/17

 北東部での度重なる紛争の影響を受けながら、復興事業を推し進めるスリランカ。災害発生から丸3年がたち、支援活動も新たな局面を迎えています。
住宅の再建や病院建設など「ハード」面での支援を進めつつ、支援終了後も地域の人々が自立して生活できるよう、トレーニングや啓発活動を通じた「ソフト」面での支援にも同時に取り組んでいます。

◆人づくりの鍵は、現地の赤十字ボランティア

 スリランカ赤十字社ガンパハ県支部では、水の事故からいのちを守るための知識と技術を身に付けるべく、水上安全法普及事業を3年間の計画で実施しています。
 これまでの2年間で日本人指導者を5回派遣、水難事故での救助や救命・応急手当てを行う「救助員(ライフセーバー)」が62名、救助員の指導にあたる「指導員」が16名養成されました。
写真上:プッタラムの保健ボランティアはいつも笑顔

 「みな、やる気に満ちています。今年からは、救助員が中心となってチームを結成し、ボランティアで海岸パトロールを行っていますが、おぼれている人を救うなど既に実績もあげています」と語るのは、ガンパハ県支部のラジーフさん。事業を管理する傍ら、自らも指導員として訓練生の技術指導や水泳教室を開くなど、欠くことのできない存在になっています。
 一方、プッタラム県の保健衛生事業では、乳幼児の栄養改善、家庭菜園、飲料水設備やトイレの整備、家庭訪問を通じた衛生指導などに取り組んでいます。ここでもスリランカ赤十字のボランティア総勢60人が事業の柱として毎日過疎地域を巡回するなど、地道な活動を続けています。

写真上:熱心に指導を受ける訓練生とラジーフさん(右から2番目)。右端は日本から講師として派遣された日赤千葉県支部の津田職員。

◆「ハードの復興」から「暮らしの復興」へ

 トリンコマレー県では、日本赤十字社の支援で完成した171戸の住宅で、被災者たちの新たな生活が始まっていますが、2008年からは、移転先での新たなコミュニティづくりや生計手段確保のための小規模融資などの活動を開始します。
 この背景には、スリランカ政府が、将来の津波災害から住民を守ることを目的として、沿岸部に『バッファーゾーン』と呼ばれる住宅建設禁止区域を設定したため、これまで沿岸部に居住して漁業を営んでいた多くの被災者が、代替地として提供された内陸部への移住を余儀なくされたこと、さらに紛争の影響で漁業の継続が困難になったことがありました。

 また、ガンパハ県ではこれまでに138人の被災者が看護や産業縫製の職業訓練コースを修了し、新たな仕事についています。

写真上:ガンパハでの職業訓練事業(産業縫製コース)



~何が出来たのか、これから何が出来るのか~ 
在スリランカ 日赤代表部 首席代表 船橋 智

 スリランカ赤十字社にとって、2004年12月の津波は、かつて経験したことのない大規模災害であり、いかにして被災者のニーズに応えていくか、これまで無我夢中で取り組んできた3年間であったと思います。

 日本赤十字社はこの3年間でのべ21名の職員をスリランカに派遣し、救援から復興まで一連のプロセスを継続して支援していますが、この過程で現地の人たちも徐々に力をつけてきた、と感じています。

 「あなたがたの支援を得て、この事業を実施することができた。面白いほど色々なことが吸収できた。この経験があれば、今後は自分たちの力で同じことが出来る自信がついた」。
 これまで日本から派遣された要員一人一人に、こうした声がスリランカ赤十字社の隅々から届くようになってきました。これは私にとって心底うれしいことです。

 2005年以来のスリランカでの勤務が2年8ヶ月を経過しましたが、これまで取り組んできた人づくりを今後も着実に進めるとともに、その成果を生かして、スリランカ赤十字社と地域の力で活動を継続していけるような仕組みを定着させること、これが今後の重要な課題と考えています。

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