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もっとクロスメッセージ
歌とダンスとワクチンと(ハイチ大地震:関塚看護師長)
<今回のナビゲーター>
~ハイチより~
関塚 美穂(せきづか みほ)
名古屋第二赤十字病院看護師長
※地震直後の1月17日から約1カ月間、日赤の医療チームの一員として、ハイチにて救援活動を実施
ハイチでは、もともと予防接種率がとても低いうえ、地震後の被災者たちの生活環境は、混み合ったキャンプの中で、屋根の無い手作りテントでの生活を余儀なくされていました。日中は40度近くになり、また夜から明け方には20度近くになるという気候の下、満足な食事や水も得られない状態では、人々の免疫力も低下します。こうした環境では、感染症が発生した場合に、重症化することが予測され、多くの人々の命が危険にさらされることから、ハイチ保健省では、WHO、UNICEFの支援のもと、大規模な予防接種キャンペーンを計画し、現地で保健医療サービスを提供していた日本赤十字社、大韓赤十字社、ドイツ赤十字社、フランス赤十字社、フィンランド赤十字社、カナダ赤十字社の6つの赤十字社も、この計画に協力することとなりました。

歌やダンスの先に待つものは
ハイチの人々は予防接種の必要性をあまり理解しておらず、なかなか人が集まりません。何の見返りがなくとも、人々を動かすことはできないものかと考えた結果、ハイチ赤十字社のボランティアと私達が一緒になって、メガホンを使って現地語で予防接種キャンペーンの歌を歌ってキャンプ内を練り歩くことにしました。外国人が片言のクリオール語で歌を歌っているのを面白がって集まってきます。特に子どもたちにとっては、こうして歌いながら踊ることだけでも災害後の重い気分を少しでも発散させる瞬間であったのかもしれません。集まってきた人と一緒にお祭りのように歌って踊りながらキャンプを練り歩き、最後に予防接種会場まで連れて行きます。
会場まで来たところで、もう一度現地スタッフから集まってきた人に予防接種の必要性について説明をしてもらいます。何かをもらえると思って行列について来ただけで帰ってしまう人もいましたが、ほとんどの人はここで予防接種を受けました。

「チクンとするよ。いい子だね」
このようにして、日によって差はありますが、1日に1,000人~4,000人の割合で予防接種を進めていき、赤十字が行った予防接種キャンペーン期間中、合計15万人以上の方に対し、予防接種を行うことができました。
赤十字の活動は、自身が被災者でもある地元の人々に支えられています。カスースさんもその一人です。彼は3人の子どもと身重の妻と敷物もない手作りテントで生活しながらも、家族を支えるために毎日赤十字の下で働いてくれました。カスースさんは、日中40度になる直射日光の中、汗だくになりながら、隣近所の人達を予防接種に行くように説得して回ってくれる姿を見て、胸が熱くなり、本当にこうした現地の人に支えられて私たちの活動ができることに改めて感謝します。