国際赤十字 シリア人道危機に対する共同声明を発表

150年前の今日、1863年10月29日、スイス・ジュネーブで赤十字の国際会議が初めて開かれました。会議では、各国に赤十字社を置く概念が制定され、また、赤十字マークに「保護の標章」の意味を持たせることが提案されるなど、今日の国際赤十字運動の基礎を築きました。以降、各国に設置された赤十字社・赤新月社は189カ国まで広がり、世界中で国内外の人道支援にあたっています。

今日という日を記念し、また、150年前に制定された理念に基づいて深刻な人道危機の中で活動するシリア赤新月社に敬意を込めて、日本赤十字社、赤十字国際委員会を含める国際赤十字運動は、紛争が長引くシリアの状況に深い憂慮を示し、本日(2013年10月29日、スイス時間 朝9:00)、以下の声明を発表しました。

共同声明

国際赤十字運動は、シリアの紛争当事者に対し、苦しんでいる人を助けようとする赤十字の活動を尊重し、任務にあたるスタッフの安全を確保することを強く求める。また、私たちの支援が必要としている人のもとにきちんと届けられるよう、シリアで活動する全ての関係者に協力を要請する。

「家に帰りたい」と難民キャンプに避難してきたカハムザ君12歳

「家に帰りたい」と難民キャンプに避難してきたカハムザ君12歳。両親とはぐれ、おばあちゃんと歩いて国境を越えた(c)Mari MÿRTVEDT, Norwegian Red Cross

シリアでは、2年以上にわたり国を分断する戦いが続いており、子どもを含めた900万のシリア人が深刻な人道危機にさらされている。シリアで今日まで続く人道的悲劇は耐えがたく、支援を必要としている人たちへ確実に支援を届けるために、より一層の協力・支援が不可欠。

シリア国内の膨大な人道支援ニーズに応えるには、赤十字・赤新月の救援チームが向かう先は安全で、かつ邪魔されることなく現場に急行できる状態でなければならない。加えて緊急の助けを必要としている250万人に支援を毎月届けるためにも、より多くの支援が必要だ。

シリアでは、これまでに10万人以上が殺害されている。死にゆく人、負傷や病に苦しむ人が、日々数百人に上る。医療従事者や物資の不足に加え、医療従事者・医療施設をターゲットにした攻撃により、生命の維持に致命的な医療サービスが行き届かないことが原因だ。

紛争に見舞われた地域では、電気、水、ごみ収集などの基本的なインフラが稼働せず、状況悪化を助長している。激化する戦闘や経済力の低下により、多くの人たちが日々の生活を送ることさえ苦闘し、同胞から寄せられる支援や人道支援機関に完全に依存している。

シリア赤新月社では、これまでに22人のスタッフが命を落とした。支援活動に従事するスタッフが負傷したり、誘拐、拘束されたりするケースも頻発している。150年続いてきた赤十字の基本原則でもある「人道・公平・中立・独立」への尊重と支持が、これまで以上に求められる時がきている。

シリア赤新月社の職員とボランティアは、支援を必要としている人たちへのアクセスを求めている。紛争には全く関与せず、支援を届けることに徹している人を狙った攻撃は許されない。シリアの紛争当事者に、シリア赤新月社のボランティアをはじめ赤十字の活動に従事するスタッフが任務を遂行できるよう彼らの安全を保障することを強く求める。併せて国際赤十字運動と協働する関係者に更なる協力を要請する。