日本との関係強化めざし、ICRC総裁が来日

本社職員を前にICRCの人道活動について語るマウラー総裁

本社職員を前にICRCの人道活動について語るマウラー総裁

赤十字国際委員会(ICRC)のペーター・マウラー総裁が5月15日、日本との関係強化を目的に来日し、天皇・皇后両陛下に接見を賜ったほか、安倍首相や小野寺防衛大臣らとも会談しました。4日間の日本滞在について、総裁は「短い時間でしたが、一つ一つの会談はたいへん充実したものでした。天皇・皇后両陛下が各国の様子に高い関心をもっておられたことにも感銘を受けました」と語りました。また17日には日本赤十字社を訪問し、本社職員約70人との対話集会に参加しました。

本社職員と対話「日赤の果たす役割大きい」

対話集会には職員約70人が参加。マウラー総裁と直接会う貴重な機会になりました

対話集会には職員約70人が参加。マウラー総裁と直接会う貴重な機会になりました

「ICRCともっとクロス!」と名づけられた日赤職員との対話の場で、総裁は「人々の苦しみの要因である紛争や自然災害が、複合的に絡み合っている」と言及。世界の紛争や飢餓に対処するためにはICRCと当該する赤十字社、他の赤十字社の協力が必要であり、その際に日赤が果たす役割は大きいとして、日赤への期待を語りました。
質疑応答で「ICRC総裁としての夢は?」と聞かれたマウラー氏は、「紛争などで困っている人たちを助けるためにあるのがICRC。その総裁としての役割をきちんと果たすことと同時に、ICRCを必要としない争いのない世界をつくること、つまり自分の仕事と組織をなくすことです」と答えました。

「世界で最も厳しい状況にある国はどこか」との質問に対して、「順位を付けることはできませんが、シリアでは暴力が厳しさを増し、赤十字標章や人道法が遵守されていません。サヘル地域(アフリカのサハラ砂漠南縁)やソマリアでは紛争に加え、食糧問題が喫緊の課題。いずれも厳しい状況です」。また、赤十字の7原則の中で特に重要なのは何かという問いには、紛争犠牲者を守る活動のためには「公平」「中立」が欠かせないとし、加えて7原則には含まれないもののICRCの任務上、「守秘義務」も重要だと述べました。