年頭のご挨拶―近衞社長から皆さまへ

会長

国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)の会長としての3年の間、ハイチ大地震や東日本大震災など大規模災害を経験し、国際支援受け入れの国内法整備がどの国も不十分なことが明らかになりました。IFRCは、そのためのガイドラインを作成しており、各国への普及に引き続き取り組んでいきます。

また、この1年を振り返りますと、武力紛争の続くシリアでの人道危機、各地での自然災害など国際赤十字が支援を展開する場面が数多くありました。赤十字が国際社会で果たす役割は増している一方で、各国赤十字の災害対応能力強化、不況の影響で落ち込んだ活動資金の確保は世界的な課題であります。

国内に目を転じると、各国の赤十字を通じて寄せられた救援金を財源とする東日本大震災の復興支援事業は、被災した子どもたちへの教育支援や病院の再建支援など多くが実現しています。皆さまから寄せられた3,200億円を超える義援金もほぼ全額が被災地に届けられています。しかし、義援金のすみやかで公平な配分の実現のためには検討すべき点も多く、解決へ向け国や地方自治体などと議論を重ねているところです。

一方、社会を支えるうえでの市民活動の位置づけが高まっています。草の根ボランティアを組織する赤十字はその重要な担い手です。東日本大震災では各地の奉仕団が活躍しました。日本赤十字社の病院や福祉施設では日常的に多くのボランティアが活動しています。こうした市民の力を日赤全体でより大きく位置づける時です。そのためにも、若い世代への広報を重視し、彼らの参加を促していく新しい活動の用意も進めたいと思っています。

日赤の活動は国民の皆さまの支えで成り立っています。新年にあたり、より多くの皆さまからのご協力をいただきますよう、心よりお願い申し上げます。