クウェート政府が原油を寄贈-日赤を通じて被災者の生活再建に生かす-

クウェートからの原油贈呈式

横浜市の製油所で行われた式典。背景にある船は、原油を積んだ第1陣タンカー

東日本大震災の被災地復興支援のため、クウェート政府から原油500万バレル(約400億円相当)が日本政府に寄贈され、その代金相当額が日本赤十字社に寄付されることになりました。

500万バレルは約80万キロリットル、日本全体の石油消費の1.5日分に相当します。「被災者のために効果的な事業を実施してほしい」というクウェート政府の思いが込められた寄付金は、被害が大きかった岩手、宮城、福島の3県に被災規模や原発事故対応等を総合的に勘案して配分され、取り崩し型積立金として地域基盤の復興をはじめ、医療、教育、福祉・介護といった分野から、農林水産業の復興、雇用創出、原発事故の被災者支援など、各県が独自に行う事業に充てられます。

500万バレルの原油小切手

500万バレルの原油小切手が、アル・ザンキCEO(右から2番目)、アル・オタイビ駐日クウェート大使(右端)から枝野経産相(中央)をはじめとする日本チームに渡された

10月12日、原油の一部を積んだ第1陣のタンカーが横付けされた横浜市内の製油所で、引き渡し式が開かれました。式典には、枝野幸男経済産業相、クウェート石油公社のアル・ザンキ最高経営者(CEO)、加藤敏幸外務大臣政務官、アブドル・ラフマーン・アル=オタイビ駐日クウェート大使らが列席。枝野経産相は「震災に伴う原発事故などでエネルギー供給が逼迫された時にクウェート政府から今回の支援が表明され、心強く思った。原油の代金は復興資金として活用していきたい」と感謝の意を表明。アル・ザンキCEOは「地震や津波災害に対する日本の対応は、我々にとって学ぶべき模範となった。日本への石油の供給確保に努めたい」と述べました。続いて行われた目録の引渡しには、木村康石油連盟副会長、近衞忠煇日赤社長、奥田碩中東協力センター会長ら関係者も立ち会いました。

レセプションで挨拶をする近衞社長

レセプションで挨拶をする近衞社長

その後、都内のホテルでレセプションが開かれ、寄付金による支援事業者を代表して日本赤十字社の近衞忠煇社長が登壇。湾岸戦争の折に日赤医療班を派遣し、クウェートの医療ニーズを調査して支援を行ったことを披露。その上で「今回の支援が被災地の人々の心に残り、今後、両国の親交が更に深まっていくことを確信している。クウェートからのご厚志が一日でも早い被災地の復興に生かされることを願い、岩手、宮城、福島の3県と協力して被災者の生活再建に尽力していく」と挨拶しました。

日本赤十字社は、これまでにも海外の赤十字・赤新月社から寄せられた海外救援金を使って、家電、介護ベッド、車いす、学校の保健室器具等、生活に欠かせない物資の寄贈や、医療インフラの再建事業、被災者のこころのケアなどを実施しています。1国からの寄付金としては最高額になった今回の寄付は、被災県が行う事業を後押しする、新たな支援の形となります。