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救援救護活動_国際
(速報4) フィリピン台風被害 ~日赤看護師が活動中~
09/10/03
マニラから車で約2時間のところにあるマリキナ市(Marikina City)は、台風16 号(Typhoon Ketsana)によって甚大な被害を受けました。避難所となっているナンカ小学校(Nangka Elementary School)で日本赤十字社の西村尚美看護師(神戸赤十字病院)と勝占智子看護師(徳島赤十字病院)がフィリピン赤十字社の医療班とともに活動しています。その報告が届きましたので紹介します。
■ 小学校の教室で避難生活をおくる人々
台風被害から1 週間、マニラでは通常の生活を取り戻したかのように感じられていた
が、マリキナ市に入った途端、道路にはゴミが山積み、木はなぎ倒され、全壊した家屋などが被害の大きさを物語っていた。避難所となっている小学校には、グラウンドを囲むように四方に建物が並び、簡易トイレ、簡易水道が設置されている。トイレとゴミの匂いが混ざって鼻を刺激する。グラウンドではたくさんの子どもたちが遊んでおり、土砂を片付けた小山を遊び場にしていた。
2 階から上の教室が寝泊まりに使用され、多くの人でひしめき合い、隙間なく洗濯物
が干され、ゴミであふれていた。各教室に6~20 家族が生活している。一家族4~7 人が、机で区切って生活スペースを確保し、段ボールを敷いた上で寝ている。しっかりと足を伸ばして寝ることはできない。降ったりやんだりという雨で床も濡れており、段ボールに水がしみている。教室に入れなかった家族は廊下で生活している。廊下には壁や窓など何も遮るものがないため、強い風と雨がそのまま家族たちの体に当たっていた。
■3 時間で146 人を診察
私たちが救護所を設置するのを待っていたかのように、診察、傷の手当てを希望する人達がたくさん集まってきた。5 人の医師が診察や処置を効率的に行うことができるよう、待ち合い場所から受付・問診‥と一方通行で進めるようにブースを配置し、診察スタッフが誘導する。最初は「われ先に」と集まってきた人たちも、重症を除き、順番を守るように伝えると、スムーズに診察や処置を受けることができた。
子どもを中心に咳や熱、喉の痛みを訴えるケースが多く、ビタミンの栄養剤も配付された。狭い教室に多くの家族が生活しており、日中は埃が舞い、雨が降ると泥水で床が汚れるといった劣悪な環境下では、感染症の拡大が心配される。
災害発生から約1 週間が経過し、頭痛や肩こり、不眠を訴える人も目立った。傷の手
当てを希望する人の中には、発災当初に避難する時にけがをした人もいれば、最近家の片付け中に割れたガラスの破片や木材でけがをした人もいる。傷が化膿し、医師によって抗生物質が投与されたが、避難所の床も泥で汚れ消毒剤が不足する状況下で傷口の清潔維持が困難な環境にある。3 時間で146 人が診察を受けたが、傷の手当を受けた人はそのうち51 人いた。
体温測定を行う西村看護師 ©日本赤十字社
■衛生指導の実施
ボランティアとともに各教室をまわり、衛生指導を行った。下痢や感染症を防ぐためには衛生的な状況を保つことが必要で、ゴミをきちんと捨てること(一杯になったらゴミ置き場に持っていく)、手洗いをしっかりと行うことを説明する。
衛生指導は、チラシを一人一人に配り「食事の前、トイレの後は手洗いを」とジェスチャーを交えて伝える。食事の用意をしている女性には「料理の前の手洗い」を、小さな子どもがいる母親には「おむつを替えた後の手洗い」を、と具体的に伝えた。子どもたちには、絵で説明したり、クイズ形式や歌など、興味を持つ方法で覚えてもらうよう工夫した。
今病気にかかっていないか、何に一番困っているのかなど話も聞いている。下肢の外
傷、下痢、熱で困っている人、慢性疾患(糖尿病や脳卒中)のために体調不良を起こしている人などがいた。食事や水はNGOなどが提供しており、問題はないが、身の回りのものが水に浸かり、服がなくて困る、という人もいた。
衛生指導を行う勝占看護師 ©日本赤十字社
■衛生キットの配付
家族の代表者に聞いて作成したリストに基づき、家族に衛生キットを1つずつ配付する。衛生キットには歯ブラシ、歯磨き粉、タオル、石鹸、シャンプー、カミソリ、爪きり、ボディーパウダーなどが入っている。手渡した際に受取サインをもらうという手順で重複を避けて配付する。
■所感
私たちの手を取り、自分の額に付けて挨拶をしてくる子どもがいた。何か欲しいという仕草をして私たちを見つめる。すべての生活道具が洪水で流され、避難所が生活の場所になっている彼らにとっては救援物資がすべてなのだという。
普段の生活と違い、一つの体の不調がとても怖く感じるとの声もあった。被災から今まで頑張ろうと思ってきた意欲が体の不調により一気に消沈してしまったと訴える女性もいた。避難所は小学校のため、使用期限が限られている。今後の生活を不安に思い頭痛、不眠を訴えるケースもありこころのケアの必要性は明らかである。
一方、一見混乱しているように見える状況下でも代表者がおり、彼らを中心に非常によくまとまっていた。彼らは一緒の教室で生活をしている他の家族の状況を確認していたり、ゴミの清掃を行ったりしていた。避難所生活が続いており、疲れがあると思われるが「マガンダンハポン(こんにちは)」と笑顔で返してくれる。「色々とありがとう」と沢山の方に声をかけていただいたが、このような災害を受けた中でも笑顔を忘れないその姿勢に、私たち自身も色々教えていただき「ありがとう」という気持ちでいっぱいである。
雨が降り出し、やや薄暗くなった救護所、横になったままの避難者もいれば、その一方で泥水が溜まったやや深めの水たまりで騒ぎながら遊んでいる子どもたちが印象的であった。
■ 救援金受付について
皆様からの救援金を受付けます。
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救援金窓口 郵便局・ゆうちょ銀行
口座番号 00110-2-5606
口座名義 日本赤十字社
受付期間 平成21年9月30日(水)~平成21年10月30日(金)
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※郵便局窓口での取り扱いの場合、振替手数料は免除されます。
※受領証を希望される方は、振替用紙の通信欄に「受領証希望」と明記のうえ、
お名前、ご住所、お電話番号を記載してください。
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Tel: 03-3437-7081 E-mail: info@jrc.or.jp