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グルジア/ロシア: 懸念される人道的危機と国際赤十字の取り組み
08/08/13
■懸念される人道的危機
紛争による被害の拡大に伴い、グルジア及び南オセチア自治州では、重大な人道的危機が懸念されています。
現地の赤十字国際委員会(ICRC)スタッフによると、救急車両が負傷者のもとへ辿り着くことは非常に困難であり、残された人々は水も電気も連絡手段もないまま地下室等に逃れている状況で、紛争地帯における人道環境は劇的に悪化しています。
ICRCはグルジア中部の都市ゴリに調査チームを派遣しており、現地では多くの避難民が発生していることを確認しているほか、その他の地域においても広範囲に渡る避難民の発生の報告を受けています。
現在までのところ、ICRCは南オセチア自治州へのアクセスを確保しておらず、早急に現地に入ることが最優先の課題です。現地は激しい戦闘状態にあるため、ICRCは紛争当事者双方に対し人道援助機関の紛争地帯における活動を保障し、医療関係者や救急車両が傷病者のもとへ支障なく安全に向かえる措置をとるよう呼びかけています。
更にICRCは全当事者に対し、一般市民と直接戦闘に参加している者を区別し、国際人道法を遵守するよう呼びかけています。
■ 国際赤十字の取り組み
ICRCはグルジア、南オセチア、ロシアの各軍による紛争により負傷した人々を支援するため、今週中にも15トンの医薬品及び医療資機材をグルジアに空輸する予定であり、ジュネーブからのチャーター便には、20,000人分の安全な飲料水を提供できる浄水・貯水のための資機材も積み込むこととしています。
また、現地から一般市民の負傷者の増加が報告されている中、ICRCは11日、緊急に援助を必要としている約50,000人を対象とした約8億1,000万円規模の暫定緊急アピールを発表しました。
このアピールは、負傷者に対する医療支援の提供、及び北オセチア、グルジアの避難民、南オセチア自治州に残された一般市民に対する緊急援助を目的としており、これらには同自治州のツヒンバリ居住者のための飲料水の提供も含まれています。 更に、ICRCはこの紛争により捕らえられた、あるいは逮捕された全ての人々に面会する努力をしており、11日にはグルジア当局に捕らえられた負傷したロシア人パイロット2名を訪問しました。
今後は、ICRCの医療チームが現地の病院で働くスタッフを援助するため、8月12日にグルジアに到着する予定であるほか、ICRCの要請を受けたノルウェー赤十字社が、グルジアにおける負傷者を援助するため、野外病院を送る予定です。
現地のICRCスタッフは、「過去数日間にわたり、ICRCは複数の病院を訪れることができた。現段階で死傷者数を言及するのは早いが、この訪問により現地の医療機関は多数の死傷者を取り扱っていることが確認された。」と語っています。
ICRCはもうひとつの最優先事項として、この紛争によって避難している人々に対する救援物資の提供を挙げており、できる限り早く毛布、衛生資材、料理用鍋等の基本的な日用品の提供や、ツヒンバリ居住者への飲料水の確保を目指しています。
なお、ICRCは北コーカサスにおいてもロシア赤十字社北オセチア支部と共に現地当局とも協力し、紛争地域から避難してきた人々に対し、衛生資材や子供たちへの援助を行っています。
■ 日本赤十字社の対応
日本赤十字社はICRCの暫定緊急救援アピールの発表に対し、約270万円の資金援助を行うことを予定しています。
また、現地で展開が予定されているノルウェー赤十字社の野外病院の活動を支援するため、必要に応じて医療スタッフ等の派遣体制を整えることとしています。