シリア人道危機支援 ~近衞連盟会長がシリア訪問~

シリア赤新月社のボランティアを激励する近衞会長 ©IFRC

近衞忠煇国際赤十字・赤新月社連盟会長(日本赤十字社社長)は5月21日、長引く内戦により混迷しているシリアを訪問し、シリア赤新月社のボランティアやスタッフを激励しました。

シリア赤新月社は、シリア全土をカバーできる国内唯一の人道支援団体として救援活動の中心的な役割を担い、国連をはじめ他の援助団体からも厚い信頼を得ています。

近衞会長は「人道、中立、独立といった赤十字・赤新月運動の原則のもとに、極めて困難な状況下で活動を続けるシリア赤新月社のボランティアは尊敬に値する」と彼らの活動をたたえました。

同国赤新月社のアッタール社長は、これまでの活動状況を説明し、連盟のさらなる支援と近衞会長のリーダーシップに期待を寄せました。これに対し、近衞会長は、連盟によるシリアへの緊急支援を現在の3,900万スイスフラン(約41億円)から年末までに5,000万スイスフラン(約52億円)へ増額する予定であると表明しました。

ゴミ収集や給水、電力供給が機能不全になり無秩序な状態のシリア ©ICRC/T.Voeten

いつ果てるともない内戦。戦闘が勃発してから26カ月が経過した今でも、爆撃や暴力は終息の兆しが見えず、人びとは日々命の危険と隣り合わせの生活を強いられています。

この状況に対し、一般市民は逃げることしかできないため、国内避難民は425万人、周辺国への避難民は約150万人に上ります。

国外への避難民の多くは、隣国のレバノンやヨルダン、トルコ、イラクへ逃れていますが、最近は、より良い環境を求めて、北アフリカや欧州へ避難する人びとも増えています。

倒壊寸前の建物の下で生活のために仕事を続ける人びと ©ICRC

毎日、平均約6000人が国境を越えているという極めて深刻な事態に、周辺国は、インフラの整備や食糧の確保、医療の提供、保健・衛生支援など、あらゆる面での態勢づくりが追い付かず、困窮しています。

そのため、命からがら逃れてきた避難民も、避難先で新たな厳しい現実に直面しています。

一方、シリア国内で自宅以外の場所に逃れている国内避難民は、戦闘の激化により食糧や医薬品、救援物資などが行き渡っておらず、過酷な状況下での生活を続けています。

シリア赤新月社は、救急車搬送サービスや負傷者への初期治療を担う中心的な存在として負傷者救助を行っているほか、食糧・物資の配布、保健・医療サービスの提供など懸命な救援活動を展開しています。

これまでに、総勢1万1000人のボランティアやスタッフが支えてきた戦闘下でのこれらの活動は、常に危険と隣り合わせです。国際人道法により武力紛争下での赤十字への攻撃は禁止されていますが、これまでに20人ものボランティアやスタッフが活動中に命を落としました。

海外救援金 ~ご協力のお願い~

日本赤十字社では、内戦によりシリアと周辺国で苦しんでいる人びとを支援するために、シリア救援金へのご協力をお願いしています。

内戦長期化を受けて、救援金の受け付け期間を延長しました。引き続き、皆さまからの温かいご支援をお待ちしています。

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