パレスチナ・ガザ地区 人道危機~空爆犠牲者の救援にあたる赤十字~

大規模空爆により町が破壊されるガザ ©IFRC

大規模空爆により町が破壊されるガザ ©IFRC

11月14日、イスラエル軍がガザ地区への大規模な空爆を開始し、およそ1週間にわたる激しい戦闘が繰り広げられた結果、多くの一般市民が犠牲となる緊迫した事態へと発展しました。

11月21日までに、パレスチナ人174人とイスラエル人6人が死亡、約1400人が負傷、多数の家屋や建物が破壊され、被害は極めて深刻です。

11月21日に停戦合意がなされたものの、もともと社会的経済基盤がぜい弱なガザ地区に戦闘が残した爪痕は大きく、家を失った人びとや、生き残っても精神的な傷を負った人びとへの支援が求められています。

ガザ地区は、2008~09年に勃発した紛争や、イスラエルにより5年間も「封鎖」されあらゆる移動や物資供給が制限されていた影響から、経済活動が著しく後退、人びとの生活は困窮状態に陥っていました。

これまで、国際社会からの援助や、エジプトと連結する多数の地下トンネルを使って運搬される物資を頼りに耐え忍んできましたが、新たな戦闘によりトンネルも封鎖されてしまいました。また、境界付近の空爆により、周辺国に頼っていた電力や燃料の供給も遮断し、人びとはさらに深刻な状況へと追い込まれています。

赤十字による救援活動

パレスチナ赤に救助された子ども、応急手当を受け病院へ救急搬送される ©PRCS

パレスチナ赤に救助された子ども。応急手当を受け病院へ救急搬送されます ©PRCS

パレスチナ赤新月社は、戦闘が始まるとただちにボランティアを動員し、住民の避難誘導、負傷者の応急処置、救急搬送、救援物資や食糧配付などに休みなくあたりました。

また、パレスチナ赤新月社は、現地の病院へ外科手術キットを提供して緊急事態に備えるほか、エジプト赤新月社より医薬品や医療器具の支援を受けながら、高まる医療ニーズへいち早く対応しています。

これまでに、約480人のボランティアとスタッフが活動にあたりましたが、そのうち13人が活動中に攻撃を受け負傷しました。幸い軽傷で済みましたが、救援者自らも命の危険と向き合う過酷な状況下で支援を続けています。

攻撃の応酬激化に厳戒態勢を取るイスラエル・ダビデの赤盾社 ©IFRC

攻撃の応酬激化に厳戒態勢を取るイスラエル・ダビデの赤盾社 ©IFRC

一方、イスラエル・ダビデの赤盾社(イスラエルの赤十字社)は、11月14日から停戦合意の21日までの間、パレスチナの攻撃を受けた地域で救助活動を展開し、負傷者419人を救助したほか、混乱した状況でパニック症状を引き起こした300人のケアを行いました。

このような状況下、赤十字国際委員会(ICRC)は、戦闘の両者に対して、国際人道法が守られ一般市民が犠牲になることのないよう働きかけています。

また、ガザ保健省や赤新月社、赤盾社による救援活動を支援するため、負傷者の治療に必要とされる医薬品や医療消耗品の提供、燃料の輸送、給水インフラの復旧支援、ニーズ調査などを実施しています。

被害の深刻な地域での人道支援ニーズは日々高まっていますが、立入りが制限され支援が行き届いていない地域も一部あります。ICRCガザ地域事務所代表は、「停戦が成立し、戦闘が一時的に落ち着いたとはいえ、人びとが厳しい生活を強いられていることに変わりありません。今後、長期的な人道支援が必要です」と訴え、引き続き支援活動の拡大を目指して働きかけていくこととしています。

日本赤十字社の対応

日本赤十字社は、パレスチナ赤新月社による国際支援要請を受けて、同社の救援活動と復興に向けた中長期的活動を支援するために資金援助を行います。