アフリカ・サヘル地域~深刻化する食糧危機、日赤7,000万円の資金援助~

アフリカのサハラ砂漠の南側に広がるサヘル地域(ガンビア、セネガル、チャド、ニジェール、ブルキナファソ、マリ、モーリタニア)は、昨年からの極端な降雨不足の影響で、深刻な食糧危機に直面しています。

慢性的な干ばつにより、農作物の収穫期の狭間で備蓄食糧が不足する傾向にある同地域では、農作物の不作や食糧価格の高騰に加え、武力紛争など複数の要因が相まって食糧問題をさらに困難なものにしています。

長く続く食糧危機に約1840万人が直面

貴重な栄養源、ミルク粥の配給を待つ子どもたち

貴重な栄養源、ミルク粥の配給を待つ子どもたち ©Sarah Oughton/IFRC

半乾燥地帯に位置するサヘル地域では、砂漠化が深刻な問題となっています。降水が不安定なこともあり、過去にも干ばつによる深刻な飢餓が発生してきました。

約1840万人以上が食糧危機に直面している今回も、降雨不足によって農作物の収穫量が減少したことが直接的な原因となっています。

さらに、同地域のマリでは今年1月に武力紛争が勃発。数十万人もの難民が周辺国へ押し寄せたことで、それらの国々の食糧事情を一段と悪化させました。

中でも、十分な栄養摂取を必要とする子ども、妊婦や授乳中の女性に甚大な影響を及ぼしています。約100万人の子どもたちが重度の栄養失調により命の危険にさらされている状況です。

また、人びとの出稼ぎ先である北アフリカや西欧諸国が、政情不安や経済危機で出稼ぎ労働者を受け入れられなくなったことも遠因となっています。出稼ぎ先からの送金が途絶えたことで、食べ物を購入できない貧困層が大量に生まれてしまいました。

赤十字による支援

栄養状態の悪い生後4カ月の赤ちゃんを赤十字ヘルスセンターで診察

栄養状態の悪い生後4カ月の赤ちゃんを赤十字ヘルスセンターで診察 ©Ollivier Girard/IFRC

こうした事態に、国際赤十字・赤新月社連盟(以下、連盟)と赤十字国際員会(以下、ICRC)は、緊急救援要請を発表し、サヘル地域における約109万人を支援するため、総額5400万スイスフラン(約48億円)の資金協力を要請しました。

これと並行して、サヘル地域の各国赤十字社は連盟、ICRCと連携し、食糧の配付をはじめ、家畜用のえさの提供、乳幼児と妊産婦を対象とした栄養改善プログラムなどさまざまな緊急支援を実施しています。

さらに、今後の干ばつへの備えとして、種子や農耕具の援助、灌がいの整備を通じて、農業生産力を高める課題にも取り組んでいます。

日本赤十字社は、連盟とICRCの緊急救援要請に応えて、これまでに7000万円の資金援助を行いサヘル地域での人道支援活動を支えています。今後も現地における状況の変化と国際赤十字の支援方針などを踏まえて支援を継続していきます。