(速報3)アフリカの角 干ばつ・食糧危機:変化する状況に対応する赤十字

この60年で最悪の干ばつに苦しむアフリカ北東部「アフリカの角」。10月ごろから小雨季が始まり、ようやく各地で雨が降りました。人びとや家畜、農作物にとって恵みの雨となる一方、乾燥しきった大地に一気に降り注いだことから洪水が発生した地域も。

今後は、マラリア、急性下痢、コレラなど不衛生な水環境から起こる感染症の流行も懸念され、すでにケニアでは160例のコレラ発生が報告されています。

食糧価格についても、数カ月先の収穫時期が来るまでは高騰が続くと見られ、干ばつもソマリア北部では依然として猛威を振るっています。人道ニーズはいまだに高い状態です。

日本赤十字社はこれまで、国際赤十字を通じて9,600万円の資金援助を行いました。

ケニアでは難民支援が本格化

ダダーブ難民キャンプで、行方が分からなくなってしまった家族を探す難民からの依頼を受けて安否調査を行う赤十字スタッフ

ダダーブ難民キャンプで、行方が分からなくなってしまった家族を探す難民からの依頼を受けて安否調査を行う赤十字スタッフ ©Olav A Saltbones/IFRC

ケニア赤十字社(以下、ケニア赤)は、ケニア最大のダダーブ難民キャンプ(46万人収容)の一部であるイフォ2難民キャンプ(6万5000人収容)の管理・運営を行っています。

このキャンプは主にソマリア難民を受け入れていますが、昨今の治安状況の悪化により、ケニア政府は新たな難民登録を一時中断しています。

人道援助団体の活動も制限されていることから、ケニア赤の支援はキャンプ生活を送る人びとにとって大切な命綱となっています。

ケニア赤は医療スタッフやボランティアを派遣し、診療だけに留まらず衛生状況や栄養状態の改善を含む保健サービスを提供しています。診療活動は、1日当り400~500人程度で、主な症例として見られるのは子どもの栄養不良、呼吸器疾患、肺炎、慢性結核など。11月半ばには40床の仮設病院をキャンプ内に開設し、その活動は拡大しています。

また、他機関と連携してキャンプ内で予防接種キャンペーンも展開しています。

新たな難民の流出先

恵みの雨で生気を取り戻したラクダは人々に栄養価の高いミルクをもたらす

恵みの雨で生気を取り戻したラクダは、人びとに栄養価の高いミルクをもたらします ©Alex Wynte/IFRC

治安の悪化によりケニアに避難することが難しくなったソマリア難民は、エチオピアに押し寄せました。

その結果、エチオピア南部のソマリア国境付近にあるドロアド難民キャンプでは、10月の新規難民登録数が8000人に上り、9月よりも5000人多くなりました。

状況の変化を受けてエチオピア赤十字社は国際赤十字のスタッフと一緒にドロアド難民キャンプの調査を行い、キャンプ内での離散家族支援や難民を受け入れているホストファミリーへの支援を開始しました。

エチオピアでは、13万7000人分の食糧支援や感染症を予防するため蚊帳5万枚の配付準備も進んでいます。一方で、給水車による飲料水の供給は小雨季に入ったためサービスを一時中断しています。

困難が続くソマリアにも切れ目ない支援

長年の内戦に加え、深刻な干ばつと飢餓に苦しむソマリアでは依然として厳しい状況が続いています。国連機関の調査によると、今年の6月や7月の状況よりは若干の改善傾向が見られるものの、いまだ400万人が危機的状況にあり、260万人が生きるための継続した支援を必要としています。

ソマリア赤新月社は国際赤十字の支援を受けつつ、食糧や物資配付、保健医療支援、給水・衛生支援を行っています。これまでに16万2000人分に当たる3,000トンの食糧配付を達成。また、10月にはビニールシートや水容器、毛布、バケツなどの援助物資が、11月には追加車輌が到着し、新たな活動を展開しています。

今後も赤十字は状況の変化を見据えつつ、活動を継続していきます。