(速報)リビア情勢 ~人道危機の拡大が懸念される現地

中東諸国では今年に入り、各地で反政府デモや武力衝突が勃発するなどの混乱が続いています。

アフリカ北部のリビアでは、今月15日にカダフィ大佐の長期政権に反発する抗議デモが勃発して以来、デモ隊と政府軍との間で激しい武力衝突が続いています。

政府軍は、政権打倒を掲げるデモ隊に徹底抗戦するとしており、一般市民を含む多くの犠牲者が出る深刻な事態となっています。

デモ隊は20日までに同国第2の都市ベンガジを、24日には第3の都市ミスラタを占拠するなど、同国東部地域を掌握したと報じられています。

さらに同国西部にもデモは拡大しているとのことで、犠牲者が増大する恐れがあります。

リビア政府は22日までの死者は300人と発表していますが、約1000人以上が犠牲となっているともみられています。また、外国人労働者が次々と脱出するなか、多くのリビア国民も隣国のチュニジアやエジプトへ避難するため国境付近に集まっており、増大する人道ニーズへの対応が求められている状況です。

赤十字による救援活動

リビア赤新月社は、ベンガジで応急処置センターを設置。ボランティアが負傷者に対する応急処置を行っているほか、重傷者に対しては救急車による病院への搬送支援も行っています。

一方で、現地では医薬品が不足しており、追加の医療物資などの支援が必要とされています。

国際赤十字は、ノルウェー、ドイツ、フィンランドの各赤十字社からなる医療チーム3チームの派遣を決定。当面2000人の負傷者を治療するための医薬品類を持って、既に待機しているチュニジア赤新月社、エジプト赤新月社の医療チームとともに現地入りし、リビア国内で医療活動を行うこととしています。

また、隣国のチュニジア、エジプトには多くのリビア人が避難しているため、難民支援の準備も進められています。

同時に、国際赤十字はリビアの関係当局に対し、いかなる場合でも人の命と尊厳を守ること、保健医療関係のスタッフ・施設などは保護されなければならないこと、といった国際人道法のルールの遵守を強く訴え続けています。

日本赤十字社は情報収集を行うとともに、国際赤十字を通じた援助要請などがあれば対応することにしています。