義援金窓口流された大槌町 6月22日までに3000件配分

義援金申請の受付窓口となるべき町役場が津波で流されてしまった岩手県・大槌町。小学校を臨時窓口に、受け付けを開始できたのは震災から約2カ月後の5月9日のことでした。

受付後の配分はスムーズに進んでおり、6月22日までに約3000件の義援金振り込みを完了しています。配分を担当する同町福祉課の関谷辰也主事がそこに至るまでの経緯を明かしてくれました。

役場を失くし、職員もばらばらに

大槌町福祉課の関谷 辰也(せきや たつや)さん

大槌町福祉課の関谷 辰也(せきや たつや)さん

大槌町は、死者・行方不明者1605人の被害を受け、140人の町職員も33人が犠牲になりました。

役場を失った私たちでしたが、震災直後は被災者の生活を支えるため、それぞれの避難所で仕事に携わってきました。

中央公民館を仮事務所にして、職員が一緒に働けるようになったのは震災から約1カ月後。大槌小学校の校庭にプレパブの事務所を開設できたときには、さらに1カ月が経過していました。

この間、住民の方がたからは「早く義援金の配分を始めてほしい」という要望をたくさんいただいていました。

申請受け付け開始。「正確に早く」を心がける

義援金の申請受付窓口が設置された大槌小学校

義援金の申請受付は、2階まで浸水、3、4階は火事にあった大槌小学校の校舎に、仮設電源を引き、設置されている

義援金申請の受け付けを開始した5月9日、会場となった大槌小学校には長蛇の列ができました。窓口が開く前、朝の4時から並んだ方もいらっしゃったほどです。

申請には、り災証明書や住民票など各種書類が必要になりますが、その発行審査が難しいケースは少なくありません。

例えば、家屋損壊への義援金は、その住宅に住んでおられたことが前提になります。ところが、確かに住んではいたけれども、住民票を町外に移していたという方もいる。そうした場合、電気・ガスの請求書などから居住の実態を判断したり、民生委員の方に確認を取ったりしなければなりません。

義援金を“正確に早く”配るためには、こうした手続きも求められることを理解いただければと思います。

集う応援の手。皆が戻ってこられる町へ

義援金申請受付窓口

義援金申請受付窓口では、他県からの応援職員が丁寧に対応している

申請の受け付け後、配分がスムーズにできている背景には、岩手県をはじめ、他の市町村から派遣されてきた臨時職員の応援があります。こうした支援には大変感謝しています。

今、仮設事務所には応援職員約200人が働いておられますが、この人数がもっと多ければ、より業務がはかどるかというと、必ずしもそういうわけではありません。私たち受け入れ側の管理体制が整っていないと、せっかく来てもらってもうまく動いてもらえない恐れがあるのです。

現在の大槌町は、必要といわれている仮設住宅2,000戸のうち半分が完成しており、町外に出て行った方からも「戻りたい」という声が聞かれています。皆さんが帰ってくると信じて仕事をしていきたいですね。

帰ってくるためには、住める環境を整えることが一番大事で、次が雇用。町だけではできない部分は、国や県の力を借りて進めていきたいと思っています。