日本の高齢者福祉を学びに海外留学生が来訪!

高齢化の進展は日本のみならず、欧米諸国をはじめとするアジア諸国でも顕著になっています。

ケアを必要とする高齢者の支援体制を充実させるために多くの国では、福祉機関などが行っている内容を学ぶため、自国の医療従事者や福祉従事者を他国に派遣しています。

日本赤十字社(以下、日赤)が運営する高齢者福祉施設には毎年、さまざまな国の医療従事者らが施設見学や施設での研修のために訪れています。

インドネシアの看護学生らに高齢者福祉施設の看護師の役割を説明

インドネシアの2010年時点の高齢化率は5.0%ですが、日本と同様に高齢化が著しく進展することが予想されています(平成27年版高齢社会白書)。しかし、インドネシアでは高齢者福祉施設が不足し、介護職員らの育成も十分ではないため、ケアの質の向上が課題となっています。

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やすらぎの郷で書いた作品です!

このような背景を抱えたインドネシアから3人の看護学生と教員1人が、日本赤十字九州国際看護大学(福岡県宗像市)に留学し、研修の一環として、特別養護老人ホームやすらぎの郷(福岡県粕屋郡)を訪問しました。

訪問の目的は、日本の高齢者福祉施設の概要を知り、高齢者福祉施設の看護師の役割や介護職員などの他の職種との連携のあり方を学ぶことです。

当日はまず、やすらぎの郷のデイサービスと特別養護老人ホーム(以下、特養)を見学。デイサービスでは書道活動に参加し、ご利用者と交流しながら日本の伝統文化の一つである書道を体験しました。

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やすらぎの郷 職員の話を熱心に聞くインドネシアの看護学生

また、施設内が清潔に保たれていて臭いがないことに、看護学生らはとても感心していました。

見学後は、やすらぎの郷の職員が特養で勤務する看護師の役割について説明。

特養の看護師は、病院の看護師と比べると医師の指示による医療行為を行うことは少ないのですが、各ご利用者の状態に配慮して健康を管理することが求められます。

具体的にはご利用者とコミュニケーションを取りながら、体温や脈拍、血圧などのバイタルサインをはじめとする一人ひとりの健康状態を把握します。

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看護学生とやすらぎの郷職員の集合写真

また、ご利用者の容態が急変したときなどには、介護職員らへの相談対応や助言を行い、医師との連絡やご利用者の通院の付き添いなどの大切な役割も担います。

さらに、ノロウイルスなどの感染が心配される冬季は、介護職員らとの情報共有を密に行い、施設内での感染予防に努めます。

このように特養の看護師は、穏やかな生活をサポートするためにご利用者に寄り添い、多くの職種と連携しながら日々の支援に励んでいることを伝えました。

限られた時間でしたが、今回の訪問を通じて看護学生らには、病院とはまた違う看護師の役割について認識を深めてもらえたのではないでしょうか。近い将来、看護師として母国インドネシアの高齢者の生活を支えていき、高齢者の支援体制を充実させられることを、やすらぎの郷職員は切に願っています。

そして日赤は、他国の方がたの施設見学や研修の受け入れなどを通じて、これまで培ってきた医療・福祉の技術や知識を伝達することに努めていきます。