自分の安否を伝え、家族や知人の安否を知るために!~視覚障がい者の「災害用伝言ダイヤル」体験

日本赤十字社が指定管理者として運営する視聴覚障がい者情報提供施設の神奈川県ライトセンター(神奈川県横浜市)は、毎年『防災デー』を開催し、『起震車』による揺れの体験や非常用物品の展示などを行い、参加者の防災意識を高めてきました。

2015年の『防災デー』は従来の取り組みに加え、災害時に視覚障がい者が、自分の安否を伝えるとともに、家族や知人の安否情報を確認するための体験講座を設け、安否情報のアクセスの方法の普及に努めました。

初めて『災害用伝言ダイヤル 171』を体験

①当事者の災害伝言ダイヤル体験.jpg

ただ今、自分の無事を伝言で残しています!

NTT東日本の協力の下、今年は初めて、視覚障がい者を対象とした『災害用伝言ダイヤル 171』の体験講座を開催しました。

「災害用伝言ダイヤル171」(以下、伝言ダイヤル)は、災害時の電話がつながりにくいときでも、30秒間にわたり自分の声で伝言を録音したり、家族や知人からの伝言を再生するサービスで、互いの安否を確認することができます。

固定電話などから『171』にダイヤルして、音声ガイダンスに従い操作すると、伝言を録音または再生することができます。

<⑤伝言ダイヤル説明2.jpg

NTT東日本社員と伝言ダイヤルの使い方を確認します

参加された方々は、NTT東日本社員から「伝言ダイヤルは、固定電話のほかにも公衆電話などから使用できますが、伝言を残したり再生するためには、使用中に被災地の固定電話番号をダイヤルする必要があります」などの説明を受けながら、一つひとつのやり方を体験しました。

また、体験していくうちに、「自分が無事なことだけでなく、自分のいる場所や状況も伝言で残した方がいい」など、伝言ダイヤルを使う上で、気を付けることを確認できました。

体験者は、「外出しているときに被災するかもしれません。伝言ダイヤルは覚えておかなきゃ」「東日本大震災の時、自分も伝言ダイヤルを使いました。家族の状況を確認するときの助けとなりました」など、安否情報の確認手段を習得することの大切さを実感していました。

1422952897666.jpg

一般向け広報紙(写真左)と弱視の方向けの拡大版広報紙
拡大版広報紙は、文字が大きく見やすくなります

また「防災デー」では、2種類の視覚障がい者向けの使用説明書を製作しました。

一つは、弱視の方が見やすい拡大版の使用説明書、もう一つは点字が読める方向けの点字版の使用説明書です。

製作は、主に神奈川県ライトセンターでボランティア活動をする神奈川県視覚障害援助赤十字奉仕団(以下、視援奉)が担当しました。

視援奉は、視覚障がい者の日常生活に必要な情報を伝えられるよう、本や雑誌の点字訳などを専門に活動しています。

使用説明書を視援奉から受け取った方は、「このようなものがあれば、伝言ダイヤルを使うときに困らなくなると思います。ありがとう」との感謝の気持ちを話されました。

③防災グッズを説明する奉仕団の姿.jpgのサムネイル画像のサムネイル画像

使用説明書の内容や非常用持ち出し袋の中身を、ていねいに参加者に伝えるボランティア

また、視援奉のボランティアは、非常用持ち出し袋に予備の白杖を入れておくことの大切さを伝えました。

さらに、『防災デー』の参加者とともに、情報源であるラジオや予備の白杖、着替え用の下着などを入れて、災害時に活用できる非常用持ち出し袋を作りました。

参加者からは、「予備の白杖を入れることは、気が付かないかもしれないので、自分の家の非常用持ち出し袋を確認してみたい」と、防災の意識が高まったことがうかがえました。

今回の『防災デー』のように、神奈川県ライトセンターは災害時でも、視覚障がい者が必要な情報を自分で入手し、自分の身を守ることができるよう、より一層支援を充実していきます。