絵本を通して笑顔と希望育む~院内ボランティア

絵本を開いて、ページめくりのこつを説明する安冨さん

「この子のこんなに喜ぶ顔を久しぶりに見ました!」「このお子さんは普段、こんな表情を見せないんですよ」

日本赤十字社医療センター(東京都渋谷区)と附属乳児院(同)で、院内ボランティアとして子どもたちに絵本の読み聞かせをしている安冨 ゆかりさんと中根 美穂さんは、子どもたちの親や看護師、保育士らのこんな声に励まされながら、およそ10年間活動を続けてきました。

二人は、毎月第1・3水曜日に医療センターと乳児院を訪問しています。ボランティア活動を始めたころは、「子どもたちは楽しんでくれているのかしら?」「自分の活動は役に立っているのかな?」という疑問や不安の連続でした。

「横型の本はこう持つといいですよ」と中根さん

「病院も乳児院も、本当は子どもたちにとって特殊な場所。絵本を読んでいても、目に見える反応がないお子さんもいます。どんなふうに声をかけ、どのように接すればいいのか、そんな試行錯誤は今も続いています」

それでも、子どもたちに寄り添う家族の皆さんの喜ぶ姿、そして「あまり反応がないように見えるかもしれませんが、すごく変わってきているんですよ」という看護師らの話を聞くと、「次回もまた来よう、続けていこう」と気持ちを新たにすることができるといいます。

「聞いてくれて、ありがとう」

全国の赤十字病院はボランティアの皆さんの活動を歓迎し、受け入れ態勢の整備を進めています。

「ボランティアをしてあげているという考えでは、子どもたちに恥ずかしい。『聞いてくれてありがとう』という思いで取り組む姿勢が大切ですね」

「そう、子どもたちに聞いてもらえる、子どもたちと絵本の楽しさを共有できる、絵本をはさんで一緒の時間を過ごせるという喜びもありますよ」と語る安冨さんや中根さん。

二人をはじめとした院内ボランティアの読み聞かせ活動は、子どもたちや周りの皆さんの笑顔と希望を育み続けています。