ミャンマーに広がる命を救う救急法~日赤指導員を派遣

ミャンマーの救急法普及支援を始めて5年

旧首都ヤンゴンにある重厚な造りのミャンマー赤十字社

旧首都ヤンゴンにある重厚な造りのミャンマー赤

日本赤十字社(以下、日赤)は2008年から、ミャンマー赤十字社(以下、ミャンマー赤)が行う救急法普及事業を支援しています。

ミャンマーに暮らす人びとにいのちと健康を守るための知識や技術を普及するため、日赤は財政的な支援に併せて技術面の支援として、これまでに3人の救急法指導員をアドバイザーとして現地に派遣してきました。

今年も3人の救急法指導員を派遣

ミャンマー赤が10月下旬、同国モン州の州都(モーラミャイン)で開催した現地の指導員養成講習に合わせて、日赤は3人の指導員を派遣しました。

派遣されたのは、本社と神奈川県支部、大阪府支部に所属する職員です(本社災害対策企画室 谷田健吾、神奈川県支部救護課 内田直人、大阪府支部ボランティア指導員 吹田光弘)。

ミャンマーの現状

3人の日赤指導員と、現地に駐在する国際赤十字・赤新月社連盟の職員

3人の日赤指導員と、現地に駐在する国際赤十字・赤新月社連盟の職員

ミャンマーは2011年に50年以上続いた軍事政権から脱し、民主化への取り組みを進めています。

民主化を評価する各国が経済制裁を緩和したこと、また豊富な天然資源を持つことによるマーケットとしての将来性などから近年、経済活動が活発になり、『アジア最後のフロンティア』と言われることもあります。

しかしこうした活発な経済的活動の一方で、医療機関・医療従事者数の不足、公的な保健医療制度や救急医療制度の未整備など、人びとのいのちと健康を守る仕組みが十分ではない面もあります。このため、けがや事故の際に適切な手当てが受けられずに重症化してしまう、最悪の場合には生命を落としてしまう事態が起きています。

日赤の指導員の技術に興味津々でまわりを囲むミャンマーの指導員

日赤の指導員の技術に興味津々でまわりを囲むミャンマーの指導員

また、ミャンマーではサイクロンや地震などの自然災害や、輸入規制が緩和されて自動車台数が増加したことによる交通事故の増加などにより、国民の10人に1人がけがなどの外的要因で生命を失っているとされます。

このような状況でミャンマー赤は、けがや病気の応急手当、救命手当を広めるための救急法普及事業を実施しています。

指導員養成講習に参加

ミャンマー赤の救急法普及事業では、実際に救急法を教える指導員の多くは、国内の各地域に暮らすボランティアです。

各地域で活躍する指導員の養成講習は定期的に開催されており、今年はミャンマー全土から約40人(うち7割が女性)が集まり、8日間の講習で熱心に学びました。指導員養成講習を経て指導員となった後は、救急法を教えるだけでなく、けがや事故の際の手当てや医療機関への搬送を日常的に行い、災害の際に救護ボランティアとして活躍している方も多くいます。

日赤から派遣された指導員は今回、その講習で現地の指導員(と候補者)に日本の技術や、ミャンマーではまだ一般的ではないAED(自動体外式除細動器)の使い方の紹介、さらなる救急法の普及に向けたアドバイスを行ってきました。

派遣者の声

ミャンマーの指導員と熱心にやり取りをします

ミャンマーの指導員と熱心にやり取りをします

「現地の指導員は熱意あふれる指導をしており、また受講者は自ら進んで発言し、実技を積極的に行っていて、見ていて感動を覚えました。ミャンマーの方がたは信仰心にあつく、温厚で親切なため、とても過ごしやすかったです」

神奈川県支部 救急法指導員 内田直人

引き続き皆さまのご支援が必要です

海外の救急法普及支援事業は、全国の赤十字社員、また寄付者の皆さまによって支えられています。開発途上国への長期的な支援などを目的として、日赤が毎年NHKと共同で実施している『海外たすけあい募金』(12/1~25)にぜひご協力ください。