カンボジア救急法普及支援事業 (山梨県:望月ひろ美)

山梨赤十字病院 看護師長 望月 ひろ美

山梨赤十字病院 看護師長
望月 ひろ美

カンボジアは戦後復興期の日本のようで、他国の文化や製品を取り入れ、新しいことに取り組み始めた活気溢れる国です。
首都プノンペン市内は古びた日本車や50ccのバイクがぎっしりと走っています。
ヘルメットもかぶらず、3~4人の家族が1台のバイクに乗って移動することは日常茶飯事です。

そのためカンボジアでは交通事故が多く、市内にいるときも数回交通事故現場を見ましたが、ある交通事故現場では、現地の救急法指導員と共に持っていた指導用資器材を用いて止血・包帯など実際に応急手当をするという出来事もありました。

日本赤十字社が実施しているアジア・太平洋地域の赤十字社における救急法等講習普及支援事業の対象者の1つであるこの国で、私は、カンボジア赤十字社の救急法プロジェクトのメンバーである現地救急法指導員2名によって開催された、6日間の指導員養成講習に赤十字救急法講師の立場でアドバイザーとして参加し、救急法プロジェクトの中心となるべき指導員の教育と、受講者に対しては、新しい技術のデモンストレーション、新しい資器材の使い方、メンテナンスの方法を伝えることになりました。

受講者は、現地本社と4つの代表支部職員・ボランティアの26名でしたが、皆さんとても真剣で、指導員に対して意見をぶつけるため、講習がたびたびディスカッションに変わってしまうこともありました。

私がデモンストレーションをすると、私の動作の全てを真似ようとして、体の動き、位置、高さなど細かな質問が多くあったため、受講者の練習に移るまでに1時間近くかかることも常でしたが、彼らは、とても熱心であり、多くの練習用資器材を使って一斉に練習する方法は今までなかった、と興味津々の様子でした。

最後には、皆合格して認定証を授与することができ、今後、彼らは各地域で救急法を普及していくことになります。カンボジアに広く救急法が普及されるために、彼らの健闘を祈ります。

決して豊かとは言えない国ですが、人々の優しさと素朴さが生きるこの国で仕事ができたことはとても嬉しかったです。
救急法がこの国に普及していくにはまだまだ時間がかかると思いますが、温かく見守り、機会があればまたお手伝いをしたいと思います。
また、この国の人々が幸せに暮らせるよう、二度と悲惨な争いごとが無いことを強く望みます。

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