台風で孤立した村~ボランティア経験生かし復旧・救助活動

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各地で記録的な大雨に。和歌山県那智勝浦町では道路が崩壊

今年9月は勢力の強い台風が立て続けに上陸し、全国各地に大きな被害をもたらしました。

日本赤十字社(以下、日赤)は、特に被害が甚大だった奈良県と和歌山県、三重県などの避難所に毛布や緊急セット(※)といった救援物資を配布。また、先の3県の被災者への義援金募集も始めています。

孤立状況下で生きたボランティア経験

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自衛隊ヘリに患者を搬送

日本を縦断した台風12号、15号による死者・行方不明者は全国で106人。その半数を占める和歌山県では9月30日現在、229人が避難生活を強いられています。

和歌山県赤十字特別救護隊の小川貴史さんが暮らす田辺市龍神村は、12号の猛威が去った9月4日、国道の各所に1メートル以上の土砂や流木が積もり、孤立地域になっていました。

固定・携帯電話ともに不通だったものの、衛星電話を所持していた小川さんは、通信支援のために龍神行政局へ向かいました。

行政局既存の衛星電話と計3回線で各機関への連絡がスムーズになり、小川さんはNTTなどへライフラインの調整を支援。作業中に透析患者の病院移送が必要と分かった時には、自衛隊への要請を助言し、11人の搬送の補助を行いました。

翌5日の夕方に道路が復旧し、続いて一部の電気、7日夕方にはNTTの回線が復活。

任務を終えた小川さんは「赤十字の一員として災害出動や防災訓練に参加し、他機関との平時からの連携があったからこそお手伝いができました。非常通信協議会に加盟していたことも幸いし、県支部や救護隊の先人に感謝しています」と振り返りました。

続く『土砂崩れダム』の脅威~新たな災害に備える

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緊急セットを搬入する日赤隊員

台風12号がもたらした泥かきや家の片付け作業を進める住民でしたが、21日には15号が追い討ちをかけます。和歌山県は比較的高齢者の多い地域が被災し、住民からは『体力的にも精神的にも限界』との声も聞かれました。

日赤和歌山県支部では両台風被害を通じて、県内の避難所に毛布1820枚や緊急セット2076個を配布。受け付けた義援金も10月4日現在、4293万3560円に上っています。

台風は過ぎ去りましたが、和歌山や奈良が位置する紀伊半島には、土砂が川をせき止めてできる『土砂崩れダム』が残り、脅威は続きます。新たな災害が発生したときに、迅速に対応できる体制が引き続き望まれています。

※日用生活品(歯ブラシ、タオル)、携帯ラジオ、懐中電灯など