骨太の災害救護を目指して~全国の赤十字病院長が情報交換会

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全国に92ある赤十字病院の院長でつくる院長連盟が4月20日、日本赤十字社(以下、日赤)の本社(東京都港区)で情報交換会を開催。

東日本大震災での救護班(医療チーム)活動の現状と今後の課題について意見交流を行い、今後も「長く骨太な」救護活動を継続していく意志統一を図りました。

東日本大震災での救護活動は、初動が非常に早かったのが特徴で、全国の支部・病院救護班46班が3月11日の発災当日に被災地へ出動。4月末までの1カ月半あまりの間に、全国から被災地へ派遣された救護班は延べ721班、約5万人の被災者を診療しました。

会議では、今回の災害医療が息の長い活動になることなどが本社から説明され、各院長へ今後の協力が訴えられました。

被災地の病院から

被災地で唯一機能する病院として残った石巻赤十字病院(宮城県石巻市)の飯沼一宇(かずいえ)院長は、「うちがつぶれれば、石巻の医療がつぶれる!」を合言葉に職員が不眠不休、泊まり込みで対応に当たったことを報告しました。

仙台赤十字病院(宮城県仙台市)の桃野哲院長は病院の課題として、災害の規模に応じた指揮系統で救護活動を実施するなどを指摘しました。

顔の見える関係を日ごろから

病院機能回復のため、救護活動と病院診療を分けることを提起したのは名古屋第二赤十字病院(愛知県名古屋市)の石川清院長です。

石川院長はこのほか、合同救護チーム運営のために「救護の達人」的な医師の存在が継続的に求められること、研修や訓練を通じて日赤の災害救護担当者同士が顔の見える関係を日ごろから構築していくことなどについても提起しました。

救護の拠点センターを全国に

東日本大震災発生当日に救護班を出動させた熊本赤十字病院(熊本県熊本市)の宮田昭診療部長からは、「自己完結型救護班のあり方」と題して、同院の救護体制が紹介されました。今後の課題として、救護活動の拠点センターの整備などを提起しました。

被ばく健康調査を全国の赤十字病院で

福島第一原子力発電所の事故にからみ、放射線被ばく医療と長くかかわってきた立場から講演したのは広島赤十字・原爆病院(広島県広島市)の土肥博雄院長です。

土肥院長は、原発の事故現場で働く人の今後の健康調査をきちんと行っていく必要性がある点を指摘。全国組織である赤十字病院がそれを担うことが最も効果的であり、その実現へ向けて、放射線被曝者医療国際協力推進協議会(HICARE:ハイケア)を活用した研修会を各赤十字病院で実施することを提案しました。