「もっとクロス」を実感

日本赤十字社医療センター
国内医療救護部長 丸山嘉一

新潟に起こった2回の地震で、直ちに日赤の持つ国内型緊急対応ユニット(dERU)とともに出動し医療救護を行いました。テントの仮設診療所には被災された方々が一日100~150人訪れ診療を受けられました。動けない方々に対しては避難所などへの巡回診療も行いました。

当日、地震発生から数時間後、私を含め十数名の医療スタッフは、大きな緊張とともに新潟に向かうdERUの上で揺られていました。既に日は落ち、電気が止まって闇に閉ざされた道路を進んでいく現実と、一刻も早く被災地に入りたいという皆の思いの矛盾が、私たちにさらなる緊張をもたらしていました。

しかし、私たちの目に飛び込んできたのは、暗闇に浮かぶdERUの赤十字マークに手を振る人々でした。中にはライトを手に持ち誘導をしてくれる人も。気づけば現地消防団員の人々の案内に引き継がれるようにして被災地入りができたのでした。現場でも実に多くの方々の力をお借りしました。

その体験は赤十字マークに寄せられる人々の信頼に触れた瞬間となり、被災地での活動に大きな勇気を与えてくれました。被災地の方々、他の救援団体、病院、日赤本社・支部などさまざまな人々との協働に支えられた医療救護の経験は、「もっとクロス」を実感することのできた貴重な体験でした。