第4期最後の訪問~浪江町民健康調査

日本赤十字社は福島県いわき市で、福島第一原子力発電所の事故によって避難している浪江町民の健康調査と健康支援活動を続けています。

福井赤十字病院(福井県福井市)の高島恵看護係長が822日~916日、活動に取り組みました。以下は高島看護係長から寄せられた活動報告です。

行かなければ見えない問題

9月は第4期の最後の月で、着任した次の日から午前中と午後に訪問をして、2026人の調査を行いました。訪問ではなく電話なら良いという方は、電話でお話を伺いました。

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最初は、震災から5年経過した時期の方から、何をどう聞けばいいのかわからず、昨年度やその前の訪問時の資料を見たうえで訪問しましたが、これから調査しますという入り方ではなく、「体調はどう?」とか、家の周りの環境や室内の写真を見ながら「あら、これお孫さん?」などという感じで話を始めているスタッフを見て、それを自分が話をする際の参考にしました。

全体的に見て、新しい家を建て、そこに1年以上住んでいて、震災のことを言っても仕方がない、もう前向きに行くしかないとおっしゃる方が多く、落ち着いていましたが、新しい家を建てているけど町内の人とも交わらず、私達が訪問した途端に不満をぶつけてくる方もいらっしゃいました。

また、夫婦間で浪江町への帰還についての意見が違っていて、ご主人は、絶対に帰りたいからいつ帰還許可が出てもいいように今のうちに家を改築して準備をしておきたいとおっしゃるのですが、奥さまは「子供や孫が帰って来ないとわかっている家にお金を掛けたくないし、帰るつもりもない。」とおっしゃって、その話になるといつも喧嘩になるので、どう思うかと私達に訊ねられて困りました。他にも同じようなお宅があり、今まで住んでいた場所に帰りたいというご主人の気持ちもわかりますし、まだまだ解決しなければならない問題があるのだと感じました。報道されていない問題や悩みは、自分が行ってみなければわからなかったと思います。

今後は、もうだいぶ落ち着いてきているので、まだ震災のことを悩んでいる方、お子さんが小さい方、独居の高齢者など、特に支援を必要とする人々を中心に訪問を続けても良いのではないかと思います。

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ママサロンにも2回参加させていただき、1回目は防災の日が近かったので、新聞を使った入れ物を作ったり、必要な防災グッズを実際に見せたりして、お母さんたちにもう一度点検しましょうと働き掛けを行いました。2回目は芋掘りとお月見の紙芝居をしました。お芋はたくさん採れて、みなさんで分けて持ち帰りました。

病院で勤務している時には時間的な制限もあり、11人の患者さんとじっくり話をするということは出来ませんでしたが、今回の経験をもとに、今後はできる限り病院でも11できちっと話を聞くということをやっていきたいと思いました。