みんなに守られたいのちを大切に~浪江町民健康調査

日本赤十字社(以下、日赤)は福島県いわき市で、福島第一原子力発電所の事故によって避難している浪江町民の健康調査と健康支援活動を続けています。唐津赤十字病院(佐賀県唐津市)の中村亜希子看護師が10月26日~11月27日、活動に取り組みました。

幼い弟を守った兄と女子中学生

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町民の思いに寄り添いながら健康調査に当たる中村看護師(写真左)

中村看護師は今回の支援活動で、ある30歳代の母親から「みんなに守られたいのちを大切に育てていく」という思いを聞くことができました。

母親は震災当時、息子二人と家にいました。ちょうど洗濯物を干していた時で、激しい揺れに自分を支えるだけで精一杯。小学生の長男はとっさに次男の手を取り、こたつの中にもぐり込んで難を逃れました。

続く余震の中で親子は空き地に避難。偶然通りがかった3人の女子中学生らとその場にしばらくとどまりましたが、寒くなったので母親は家に防寒着を取りに行くことに。女子中学生らに息子たちを見ていてくれるように頼んで、その場を離れました。

母親が後日、次男に「あの時は怖かったでしょう?」と聞くと、「僕は大丈夫だったよ。お兄ちゃんが手をつないでいてくれたので怖くなかったし、お兄ちゃんが守ってくれたので安心して逃げることができたんだ。中学生のお姉ちゃんたちはお母さんが戻ってくるまでやさしく抱っこしてくれた。僕はみんなから守られたんだよ」。

その時母親は、長男や女子中学生が幼い子を守り支えて、地震の恐怖を乗り越えさせたことを知りました。また避難所では、日赤などからのさまざまな支援を受けて生活することができたといいます。

「感謝の気持ちを大切に」という母親の思い

「皆さんに守られたことに感謝する気持ちを大切にしながら、未来をつくる子どもたちをがんばって育てていきます」と母親は明るく語りました。

中村看護師は「つらい話を聞くこともある活動でしたが、未来に向けた若いお母さんの決意を聞くことができて本当によかった」と振り返りました。