専門的な知識を生かして見守り~浪江町民健康調査

東日本大震災から4年。日本赤十字社(以下、日赤)は福島県いわき市で、福島第一原子力発電所の事故よって避難している浪江町民の健康調査と健康支援活動を続けています。リエゾン精神看護専門看護師の資格を持つ木戸学看護師(横浜市立みなと赤十字病院)が2月2~27日、活動に取り組みました。

『リエゾン(liaison)』とはフランス語で『連携・連絡』という意味。精神看護では『橋渡し・つながり』という意味で使われています。リエゾンナースは患者さんとそのご家族に対して、ほかの医療スタッフと連携して精神的なケアを行います。また、医師や看護師の相談にも乗り、病院内のメンタルヘルスを支援します。

こころのケアの経験からリエゾンナースに

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浪江町民の家庭を訪問して健康調査に当たる木戸看護師(左)

木戸看護師は東日本大震災の際、岩手県陸前高田市の避難所を巡回しながら、被災した皆さんのこころのケアに当たりました。この経験をもとにその後、精神看護の専門看護師であるリエゾンナースの資格を取得しました。

今回の調査活動では、家族が離れ離れになって生活せざるを得ないことから、「家族が引き裂かれた」という思いを持つ町民が多いことなど、震災から4年が過ぎてもこころの傷が癒えない深刻な状況がうかがえました。

また震災直後の被災地の状況と比較すると、現在の浪江町民の生活ではさまざまな要素がより複雑に絡み合っており、木戸看護師は「どこに、どのようにアプローチしていくかなど、これから支援の困難さを感じました」と語ります。

日赤なみえ保健室と連携し町民をケア

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健康サロンに集まった町民の皆さんが、ストレス解消のリラクゼーション効果がある呼吸法にチャレンジ。笑顔になった皆さんからは「おもしろかったです」「ためになりますね」の声も

家庭訪問をした家庭に、いわき市に避難してから入退院を繰り返している方がいました。

「(いわき市内での活動拠点である)日赤なみえ保健室のスタッフからも『どのような対応をすればよいか』と相談を受け、この方のケアに向けて看護師としての専門的な知識が役立ちました」と木戸看護師。

日赤はこれからも、復興支援の一環として浪江町民に対する健康調査・健康支援活動に取り組んでいきます。