寒さを吹き飛ばす「ワンツーパンチ体操」~浪江町民健康調査

日本赤十字社(以下、日赤)は今年も福島県いわき市で、福島第一原子力発電所の事故によって避難している浪江町民の健康調査を続けています。さいたま赤十字病院(埼玉県さいたま市)の小野寺澄看護師が昨年11月25日~12月20日、日赤医療センター(東京都渋谷区)の藤田容子看護師が12月2~20日に活動し、併せて『日赤なみえ保健室』で町民の皆さんを対象にした健康サロンも開きました。

『三百六十五歩のマーチ』に合わせてパンチ!

藤田看護師(左から2番目)とともにワンツーパンチ体操に取り組む町民の皆さん

藤田看護師(写真左から2番目)とともにワンツーパンチ体操に取り組む町民の皆さん

サロンを開催したのは12月12日。今回はその日にちなんだ語呂合わせ『ワンツー、ワンツー』から、『三百六十五歩のマーチ』の歌に合わせて体をいっぱい動かしてもらう『ワンツーパンチ体操』を考案しました。

また参加者に手足の動かし方や体操の順番を理解してもらおうと、藤田看護師をモデルにした写真付きの説明チラシを配布。

テンポのいい明るい曲と両看護師らの声掛け、そして説明チラシとの相乗効果で、皆さんが楽しい体操に取り組むことができました。

参加者の中には、パンチの切れが素晴らしい方も。藤田看護師が「すごく切れがいいですね」と声をかけると、「昔、ボクシングをやっていたんだよ」。それをきっかけに浪江町に住んでいたころのことまで会話が広がったことから、同看護師は「こうしたサロン活動での声掛けが、町民の皆さんとの会話をいっそう深めるきっかけになるのでは」と語ります。

丸めた新聞紙をゴミ箱に投げ入れる参加者。ストレス発散できたかな?

丸めた新聞紙をゴミ箱に投げ入れる参加者。ストレス発散できましたか?

体操に続いて日ごろのストレスを発散してもらおうと、新聞紙をクシャクシャに丸めて作ったボールをゴミ箱を利用した的をめがけて投げるという、ゲーム性のある運動に取り組みました。

チームに分かれて競争したこともあり、皆さんは大盛り上がり。会場はいつしか参加者の歓声と笑いにあふれ、「久しぶりに、いい汗をかいたわ」という声も聞かれました。

『ワンツーパンチ体操』が好評だったことから、これからも継続していくとともに、動画を見ながらできるようにすることや、テーマ曲を新たに考えることなどを検討中です。

参加者の幅を広げ、いわき市民との交流促進も

町民の家庭を訪問して健康調査に当たる小野寺看護師(右)

町民の家庭を訪問して健康調査に当たる小野寺看護師(写真右)

健康サロンはいわき市に避難している浪江町民の健康増進と交流促進を目的に開いていますが、小野寺看護師は「参加者の一人から『いわき市民の方を連れてきてもいいでしょうか』と聞かれ、ハッとした」と言います。

浪江町民が同市に避難してきてから、長い人ではすでに3年近くがたち、市民との交流を深めている方もいます。「これからはいわき市民の方がたにも参加していただくことで、浪江町民といわき市民との新しい関係がつくれたらいいなあと、その時思いました」

こうしたことから、今後のサロン活動は浪江町民の健康と交流だけではなく、いわき市民との交流を図るためにも参加者の幅を広げていこうという方向で話が進んでいます。また、さらに多くの町民の方に参加していただくために、新たに浪江町の広報誌などにサロンの案内チラシを入れてもらうことになっています。