長期的な見守り体制を~浪江町民健康調査

町民のご家庭を訪問して話を伺う西山看護師(左端)と鳥岡看護師(右端)

町民のご家庭を訪問して話を伺う西山看護師(写真左端)と鳥岡看護師(同右端)

日本赤十字社は福島県いわき市に全国の赤十字病院から看護師を順次派遣し、福島第一原子力発電所(以下、原発)事故のために避難している浪江町民の健康調査を行っています。

鳥取赤十字病院(鳥取県鳥取市)の西山みゆき看護師と福岡赤十字病院(福岡県福岡市)の鳥岡曜看護師が8月27日~9月10日、各家庭を訪問しながら調査活動にあたりました。

原発事故から2年6カ月。両看護師が訪ねた町民の中には、生活基盤のめどがある程度ついたという方もいますが、「現在の生活に満足している」と語りながらも、交通手段がないためにイベントやサロンなどに参加できず、自宅にこもりがちで孤独を感じている高齢者も。

また子育て中の女性からは、子どもを通して周囲との関係を構築する機会が少しはあるものの、その輪にうまく溶け込めるのか、不安を抱えているという話も聞きました。

多くの町民の皆さんは、うまくコミュニティーをつくることができずに孤独や不安を抱えています。さらにこうした状況がストレスとなって、抑うつ傾向や睡眠障害などを引き起こすことが心配されます。鳥岡看護師は活動を振り返り、「原発事故によって被害を受けた方がたの心理状況はとても複雑です」と語ります。

西山看護師は「避難先を転々としていたころに比べれば、今は落ち着いているように見えます。しかし、長い避難生活で体や心の調子を崩してしまったという方もいます。町民の皆さんを、これからも見守れるような体制の必要性を感じました」と、長期的な支援の必要性を訴えています。