交流の場を目指してサロン開設~浪江町民健康調査

日本赤十字社(以下、日赤)は各赤十字病院から福島県いわき市に順次看護師を派遣し、福島第一原子力発電所(以下、原発)の事故によって避難している浪江町民の健康調査を行っています。日赤和歌山医療センター(和歌山県和歌山市)の木下愛看護師と高松赤十字病院(香川県高松市)の冨家朋美看護師が7月1~13日、家庭訪問をしながら調査活動に取り組みました。

また日赤はこのほど、町民の皆さんの健康増進と交流をめざす『サロン』活動(※)をスタートしました。

家庭訪問をして話を伺う木下看護師(右側)

家庭訪問をして話を伺う木下看護師(写真右)

原発事故から2年4カ月。住み慣れたわが家と地域コミュニティーの双方を失ったことよる孤独感をはじめとし、育児や学校、子どもの不登校、就労、経済的な問題など、町民はさまざまなストレスにさらされてきました。

加えて、町への帰還も先が見えないなど、多くの人が将来の不安を抱えています。

これらが強いストレスとなって抑うつ傾向や睡眠障害を引き起こし、心身にいっそうの負担をかけることが懸念されています。

こうした状況を踏まえて日赤は、昨年10月から町民の健康調査を続ける一方、いわき市内で7月、新たな活動として『サロン』を開きました。苦しい避難生活を長期にわたって余儀なくされている町民の皆さんが、雑談をしたり悩みごとを語り合ったりしながら息抜きする場を目指しています。併せて、新たなコミュニティー形成の役割も期待されています。

調査と併せて、町民からの健康相談に応じる冨家看護師(左側)

調査と併せて、町民からの健康相談に応じる冨家看護師(写真左)

木下看護師は、「健康調査で家庭を訪問した折にサロンのことを紹介すると、皆さんが興味を持ってくださいます。内容や開催場所、日程などについてきちんとお伝えすることに努めました」と、町民のストレス軽減とコミュニティーづくりにつながる新たな取り組みに、こころを配ってきました。

冨家看護師は「長い避難生活によってこころから発生する体の不調に目を向け、こころのケアにいっそう力を入れなければならないと実感しました。また、家庭訪問をして皆さんのお話を個別に、ゆっくりと丁寧に、そしてしっかりと注意を払って耳を傾けるこの活動の重要性と、これからも続けていく必要性を強く感じました」と語っています。

  • ※サロンは町民の健康増進とともに、自立力向上やコミュニティー再生を目的に、茶話会や脱水予防講座、手芸など町民のニーズに則した内容で開催します。母子や高齢者など参加対象に合わせて、開催日や内容が変わります