EPA看護師候補者、国家試験合格を目指して意見交換会

姫路赤十字病院の職員

姫路赤十字病院の職員

EPA(経済連携協定。)に基づいて来日し、各地の日赤病院で学ぶ外国人看護師候補者と外国人看護師の意見交換会が10月25日、幹部看護師研修センター(東京都広尾)で開かれ、日本語習得や看護師国家試験合格をめざす学習方法などについて交流しました。

4人の看護師候補者と、合格後に各施設で勤務している看護師4人が参加。石巻赤十字看護専門学校(宮城県石巻市)の学生による東日本大震災での救護活動をテーマにしたDVD作品の鑑賞を通して、赤十字の看護についても理解を深めました。

「さまざまな人の協力が不可欠」「毎日努力を積み重ねて」

足利赤十字病院のラリン・エヴァー・ガメッドさん

ラリン・エヴァー・ガメッドさん

候補者にとって日本語を覚えることが最初の大きな壁になっています。

日本赤十字社(以下、日赤)の施設で学ぶ候補者として合格第1号となった、足利赤十字病院(栃木県足利市)のラリン・エヴァー・ガメットさん(フィリピン出身)は、英語と日本語の対訳文を常に持ち歩いて勉強したと語るとともに、「自分の努力だけではどうにもならないことがあります。指導者や同僚、仲間などさまざまな人の協力が不可欠です」と強調しました。

姫路赤十字病院のスワルティさん

スワルティさん

姫路赤十字病院(兵庫県姫路市)に勤務するスワルティさん(インドネシア出身)は、日本語の音楽を聴く、毎日少なくとも新しい単語を一つ覚える、電子辞書を常に持ち歩く、看護師・患者さんに積極的に話しかけるなど、普段から日本語に親しむ努力を重ねたことを報告。

候補者に『千里の道も一歩から』ということわざを送り、「毎日努力を積み重ねればできます」と励ましました。

このほか、「国に残してきた家族の生活を支えるという使命感が自分を支えました」「診療所を舞台にしたテレビドラマを見ることがリスニングの勉強に」「合格後も日本語を一生懸命勉強することが大切」などの声も。

意見交換会の様子

意見交換会

各施設の担当者からは「看護師候補者の勉強に対する姿勢は職員の手本になっています」「誠実な人柄が職員に影響し、みんなで応援する雰囲気ができています」「合格後も日本語への理解が十分ではないので、支援体制を整えるも大切」などの意見が出されました。

日赤事業局看護部の浦田喜久子部長は「日本語の学習と国家試験合格にチャレンジしている皆さんに敬意を表します。今回の交流と情報共有を今後の勉強や仕事に生かしてほしい」と激励しました。

互いに励まし合いながら

左からララスさん、小森次長、サルティカさん、浦田部長、姫路日赤柴田看護副部長

写真左からララスさん、小森次長、サルティカさん、浦田部長、姫路日赤柴田看護副部長

意見交換会の後は、日本赤十字看護大学の学生食堂で懇談会を開催。EPA外国人看護師と看護師候補者が一人ずつ、3分程度で自由にスピーチしました。

インドネシアから来日したララスワティ・スヨノさん(姫路赤十字病院)が、自宅で治療を継続されている方への訪問看護を体験し、「母国では救急医療の部署に配属されていました。患者さまの退院後の生活も含めた看護が重要であることを日本の看護から学びました」と発言。

看護部の小森和子次長は、「国家試験の学習が大変な中でも日本の看護をしっかり学ばれていて素晴らしい」と感想を述べました。

浜松赤十字病院のルビーさん、クリスティンさん、足利赤十字病院のフェイスさん

浜松赤十字病院のルビーさん、クリスティンさん、足利赤十字病院のフェイスさん

受け入れ施設が異なるEPA看護師や候補者同士が顔を合わせるのは初めてのことでしたが、懇談会は終始和やかな雰囲気。

互いの施設へ訪問する約束をしたり、抱き合いながら励まし合ったりする光景が見られ、参加者はまるで昔からの友人のように打ち解けていました。

「仲間の存在をあらためて感じることができてうれしい」との声が上がるなど、意見交換会は候補者らのモチベーションを高める機会となりました。

  • ※2カ国以上の国(または地域)の間で、自由貿易協定(FTA:Free Trade Agreement)の要素(物品およびサービス貿易の自由化)に加え、貿易以外の分野、例えば人の移動や投資、政府調達、二国間協力等を含めて締結される包括的な協定