今津赤十字病院の家族教室の紹介

今津赤十字病院は、1.地域医療 2.全人的医療 3.医療と福祉の架け橋、の基本方針のもと、老年病センターとして医療・看護を提供しています。

特に認知症治療に対して力を入れ、地域の方からも信頼され評価されています。今回は、精神科病棟における認知症の家族教室について紹介します。

認知症の治療では薬を使った治療も大切ですが、介護者の関わり方も患者の症状や行動に大きな影響を及ぼします。さらに、認知症はご本人に病識がないことが多く、介護に難渋し、一緒に生活してきた家族も不安や戸惑いを抱き悩まれているケースも多いようです。

当病棟では入院中の患者家族を対象にした家族教室を開催しています。家族教室は、疾患の理解を深め接し方や対応を学んでもらうこと、家族間の交流を持つことで心理的サポートを促しながら、家族のエンパワメントの拡大をはかることを目的にしています。

1クール3セッションで構成され、3日間かけて実施。1回目は看護師やリハビリスタッフ、精神保健福祉士の講座、2回目は家族同士の介護体験交流会、3回目は問題解決技能訓練(SST)を行ないます。SSTはあまり聞いたことがないかもしれませんが、認知症の関わりの実際をスタッフと家族で実演し、「これなら、できるかも」と自信をもたせ、認知症介護に対して前向きな気持ちを高めてもらうことを目標にしています。

年間4クール、計12セッションを作業療法士や理学療法士、精神保健福祉士、介護福祉士と協力しながら実施しています。3セッション終了した家族には終了時に参加者全員の前で、終了証を渡しています。なんだか照れくさそうにされていますが、「終了したことで、これからの介護に自信が持てた」といわれる方もいます。

認知症の患者は一人ひとり症状も多様であり、その対応は大変なこともたくさんあります。しかし、精神症状が不安定であった患者が、穏やかな生活を送れるようになり家族とともに笑顔で退院されていくときはスタッフ皆心から喜びを感じています。

今津赤十字病院
看護部長 宮崎 久仁子