Voice3 ~赤十字病・産院で活躍する先輩看護師~

看護師を目指し、就職活動をしている皆さん、こんにちは。
第1回、第2回と福岡赤十字病院からお届けした本企画、第3回目からは北見赤十字病院に場所を移してお届けしていきたいと思います。

さて、今回ご紹介するのは、佐渡 絵梨香(さど えりか)看護係長です。
佐渡さんには、北海道胆振東部地震発災時に救護班の一員として被災地で活動をされた経験などについてお伺いしました。

-はじめに、佐渡さんが看護師を目指そうと思ったきっかけを教えてください。

私は幼い頃から病院に行く機会が多く、働く看護師さん達の姿をよく見ていたせいか、その頃から漠然と「看護師になりたい」と、言っていたそうです。
高校1年生の時に一日看護体験をする機会があったのですが、洗髪のお手伝いをさせていただいた患者さんから温かい感謝の言葉を頂き、「感謝される仕事って良いな」と、改めて感じ、漠然としていた夢が現実的な夢に変わった気がします。
一日看護体験をさせていただいたのが今、私が働いている北見赤十字病院だったというのも、何かの縁かもしれません。

-これまでどうような診療科を経験されてきましたか?

入職時、最初に配属されたのは整形外科でしたが、当院が移転新築した際に、循環器・眼科・整形外科混合の今の病棟に異動になりました。
私が係長を任せていただくようになった2018年、初めての管理職に戸惑っている最中に発生したのが北海道胆振東部地震でした。

-被災地で活動されたとのことですが、それは発災から何日後のことでしたか?

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私は発災から5日後の第3班の一員として、3泊4日の日程で、被災地で活動しました。
それまで研修や訓練は受けてきましたが、実際の活動は初めてでしたので、出発前は不安な気持ちしかありませんでした。
ですが、東日本大震災のときに活動経験のある看護師長や周囲のスタッフからアドバイスが聞くことが出来たこと、また、同じ病棟の2人の看護係長が「病棟のことは私達に任せて、救護に専念してきて!」と、励ましてくれたお陰で、「自分が出来ることをやろう」と、気持ちを落ち着かせることができました。

-被災地ではどのような活動をされましたか?

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私達の班は、初日は厚真町(あつまちょう)の総合福祉センターで避難している方の健康状態を確認していく巡回と介護が必要な高齢の方の介助を、2日目からは更に救護所に来る患者さんの診察も併せて実施しました。
この時期、厚真町役場の職員自身も被災し、混乱している状況でしたので、私達から役場へ現地で活動している他団体との合同会議の場を提案させていただきました。
合同会議の開催によって、各団体が持っていた情報、持っていなかった情報の共有と役割分担ができ、その後の活動内容の重複を避けられるようになったのは大きかったと思います。

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-被災地での活動経験をどのようにして次に繋げていきたいですか?

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被災した方々から「赤十字さんが来てくれて良かった」と言ってもらうことが多くあり、「信頼をしていただいているからには、赤十字の名に恥じないように行動しなければ」と、身が引き締まる思いでした。
実際に被災地で活動したことにより知ったこと、気付いたことは沢山ありましたので、この経験を自分だけのものとして終わらせるのではなく、周りのスタッフに発信していき、平時から実践に近い訓練、研修を積み重ねていくことの大切さを伝えていきたいですね。

-最後に、赤十字医療施設へ就職を考えている皆さんへ一言お願いします。

患者さんは入院中に感じる不安や病気のことについて話したいとき、身近にいる看護師の存在を一番頼りにしてくれます。
ですが、自らメッセージを発信してくれる方ばかりではありませんので、私達には患者さんが話しやすい雰囲気をつくること、そして話を聴き出すことは勿論、聴いた情報を医師や他職種に正確に、確実に伝える力が同様に求められます。
被災地では、より短期間かつ短時間で聴き出すこと、伝えることが必要となりますので、今のうちから、「コミュニケーション力を高める」努力をしてみると良いと思います。

-佐渡さん、インタビューへのご協力ありがとうございました。


※「救護班」とは?
赤十字は人びとの苦痛の軽減と予防を目的とし、災害等その原因のいかんによらず、傷つき、困難な状況にある方に対して可能な限りの救護、支援活動を行います。
救護班は、医師1人、看護師長1人、看護師2人、事務職員2人の計6人を基本とし、必要に応じて、薬剤師、助産師、放射線技師等を加えて編成されます。
また、事故・災害の規模、性質によっては、dERU(国内型緊急対応ユニット)や救護所の設置、被災現場や避難所での診療、こころのケア活動などを行います。
救護班は災害等に備え、全国の赤十字病院をはじめ、委託協定を結んでいる公的病院等に約500班が編成されています。