フィリピン保健医療支援事業 地域ボランティアを推進

日本赤十字社がフィリピン赤十字社と協力して進めている「フィリピン保健医療支援事業」に派遣されていた2人の要員がこのほど帰国。支援事業が実施されている2つの州での活動状況とともに、現地の台風被害に対する緊急救援の取り組みを報告しました。

帰国報告に臨んだのは諏訪赤十字病院(長野県諏訪市)の山並航助産師と姫路赤十字病院(兵庫県姫路市)の津田香都看護師の二人。それぞれ同国のキリノ州とオーロラ州に平成25年3月末から半年間にわたり駐在し、地域の赤十字組織とともに活動を進めてきました。

同事業は、地域保健ボランティアの育成や保健衛生設備の整備を通じて、住民の保健医療サービスへのアクセスを向上させていくのが目的です。キリノ州では2005年から事業がスタートしており、2014年3月が第3次計画の最終年。

「これまでに育成した地域ボランティアの技能の定着化や給水システムの改善などを重点に、地域での事業成果の継続性確保を図っています」と山並助産師は取り組みを報告しました。

一方、オーロラ州での支援事業は2011年に始まったばかり。

津田看護師は地域ボランティアを育成する研修について「彼ら自身で地域のマッピングを行い、問題点をどのように改善できるのかを学んでいきます。解決策を彼ら自身に考えてもらうことをポイントにしています。実際に地域に出かけていき、村人に対する衛生教育にも挑戦してもらいました」とその実践的な内容を強調しました。

今年8月、台風11号がフィリピンに上陸。事業実施地域のキリノ州、オーロラ州も大きな被害を受けました。また、首都マニラの周辺地域でも、台風後のモンスーンの影響による洪水被害が発生しています。

フィリピン赤十字社は被災地への救援物資の配付や被害の調査などを実施しており、山並助産師と津田看護師もこの緊急救援活動に帯同。

感染症や脱水症を予防するための衛生教育を被災者に行ったり、避難所となった学校を訪問し情報収集を行うなど、支援活動に取り組みました。

海外の被災地で行う救援活動は2人にとっても大きな経験に。「アセスメントや支援物資配付にかかわり、災害時に赤十字としてどのように活動するのかを実際に経験し、学ぶ事ができました」(津田看護師)と報告会で振り返りました。